プジョーRCZの独創的で美しいデザインに心惹かれ、中古車市場での手頃な価格に驚いている方も多いのではないでしょうか。
しかし、その安さの裏には何か理由があるのではないかと、購入に一歩踏み出せない不安を感じるのも当然です。
この記事では、なぜプジョーRCZが安いのかという核心的な理由から、購入後に後悔しないための具体的なチェックポイント、リアルな維持費、そして価格以上の魅力までを徹底的に解説します。
最後まで読めば、プジョーRCZに関するあらゆる疑問が解消され、あなたが本当にこの車を選ぶべきか、賢明な判断ができるようになるでしょう。
【結論】プジョーRCZの中古車が安い5つの核心的な理由

プジョーRCZの中古車価格が安い背景には、単一ではない複数の要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、その中でも特に影響の大きい5つの核心的な理由を解説します。
理由1:輸入車特有の故障リスクと高額になりがちな修理費
プジョーRCZが安い最大の理由は、輸入車、特にフランス車に共通する故障リスクと、それに伴う修理費の高さにあります。
国産車と比較して電装系や細かな部品にトラブルが発生しやすい傾向があり、部品を海外から取り寄せる必要があるため、部品代や工賃が割高になります。
例えば、エアコンの故障で数十万円、エンジン関連のトラブルではさらに高額な出費となるケースも珍しくありません。
こうした維持費への懸念が、中古車市場での需要を限定的にし、価格が下がる大きな要因となっています。
理由2:2ドアクーペという趣味性の高さと中古市場での需要
RCZは2ドアクーペという、実用性よりもデザインや走行性能を重視した趣味性の高い車種です。
現在の自動車市場の主流はSUVやミニバンであり、ファミリー層など実用性を求めるユーザーからは敬遠されがちです。
そのため、ターゲットとなる購入層が限られてしまい、中古車市場での需要が伸び悩みます。
結果として、供給に対して需要が追いつかず、価格が下落しやすい状況が生まれています。
理由3:生産が終了し後継モデルが存在しないことによる価値下落
プジョーRCZは2015年に生産を終了しており、直接的な後継モデルも存在しません。
一般的に、生産が終了したモデルは、現行モデルがある車種に比べて中古車市場での注目度が下がり、価値が下落していく傾向にあります。
ブランドとしてのサポートや最新技術のアップデートがないことも、長期的な価値の維持を難しくしており、価格の安さに繋がっています。
理由4:部品の供給体制や専門店の少なさへの懸念
国産車であれば全国どこでも容易に部品を入手し、修理を受けられますが、プジョーのような輸入車はそうはいきません。
特に地方では、プジョーを専門的に扱えるディーラーや整備工場が限られています。
また、修理に必要な部品の在庫が国内になく、海外からの取り寄せに数週間から数ヶ月を要することも少なくありません。
このようなメンテナンス面での不便さが、購入へのハードルを上げ、中古車価格を押し下げる一因となっています。
理由5:プジョーブランド全体の中古車相場の傾向
プジョーというブランド自体が、ドイツのメルセデス・ベンツやBMWといった人気ブランドと比較すると、中古車市場でのリセールバリュー(再販価値)が低い傾向にあります。
これは性能が劣っているわけではなく、ブランドイメージや市場での人気度が影響しています。
新車からの値落ち率が大きいため、中古車になると魅力的な価格で流通することが多く、RCZもその例外ではないのです。
購入後に後悔しないために!プジョーRCZの弱点と重要チェックポイント

プジョーRCZの購入を検討する上で、事前に知っておくべき弱点と、中古車選びで必ず確認したい重要ポイントが存在します。
これらを把握しておくことで、購入後の予期せぬトラブルや高額な出費を避けることができます。
エンジン関連で最も注意すべき「タイミングチェーンの伸び」とは?
RCZに搭載されている1.6Lターボエンジンは、タイミングチェーンの伸びが弱点として知られています。
チェーンが伸びると、エンジン始動時に「ガラガラ」という異音が発生したり、エンジン不調や警告灯の点灯を引き起こしたりします。
最悪の場合、高額な修理費用がかかるため、エンジンをかけた際の異音の有無は必ず確認しましょう。
特に年式の古い車両は注意が必要です。
定番の故障箇所?ウォーターポンプなど冷却水周りのトラブル
ウォーターポンプからの冷却水漏れも、RCZでよく見られるトラブルの一つです。
冷却水が漏れるとエンジンを適切に冷却できなくなり、オーバーヒートの原因となります。
駐車場の地面に緑やピンク色の液体が垂れた跡がないか、エンジンルームを覗いて冷却水が規定量入っているかを確認することが重要です。
記録簿で過去に冷却水関連の部品交換歴があれば、一つの安心材料になります。
修理費30万円超えも?必ず確認したいエアコンの状態
RCZのエアコンは、故障すると修理費用が高額になりやすい箇所の代表格です。
特にエバポレーターという部品が故障した場合、ダッシュボード全体を取り外す大掛かりな作業が必要となり、工賃だけで30万円を超えるケースもあります。
購入時には必ずエアコンを作動させ、冷暖房が正常に効くか、異音や異臭がないか、左右で温度差がないかを時間をかけてチェックしてください。
オイル漏れや電装系の不具合は起きやすい?
エンジンヘッドカバー周辺からのオイル漏れや滲みも、RCZでは比較的発生しやすいトラブルです。
エンジンルームを上から、そして可能であれば下からも覗き込み、油で汚れていないかを確認しましょう。
また、フランス車全般に言えることですが、ウィンドウの開閉やセンサー類の誤作動など、細かな電装系の不具合も国産車に比べると起こりやすい傾向があります。
各スイッチ類が正常に機能するか、一つひとつ丁寧に操作して確認することが大切です。
前期型と後期型の違いは?どちらを選ぶべきか
RCZは2013年6月にマイナーチェンジが行われ、前期型と後期型が存在します。
後期型はフロントフェイスのデザインが変更され、細かな改良が加えられているため、一般的には信頼性が高いとされています。
故障のリスクを少しでも減らしたいのであれば後期型がおすすめですが、デザインの好みや予算によっては前期型も十分に魅力的な選択肢です。
整備記録簿(メンテナンスノート)のどこを見れば安心できる?
整備記録簿は、その車がどのように扱われてきたかを知るための最も重要な書類です。
定期的なオイル交換が実施されているか、消耗品が適切なタイミングで交換されているかを確認しましょう。
特に、前述したタイミングチェーンやウォーターポンプ、エアコン関連の修理・交換履歴があれば、大きなリスクが一つ解消されていると考えられます。
記録簿がしっかりと残っている個体は、大切にメンテナンスされてきた可能性が高く、信頼できる車両と言えるでしょう。
実際いくらかかる?プジョーRCZのリアルな維持費を完全ガイド

車両本体価格の安さに惹かれて購入したものの、その後の維持費で苦労するというケースは少なくありません。
プジョーRCZと共に快適なカーライフを送るために、必要な維持費を具体的に把握しておきましょう。
年間維持費シミュレーション(自動車税・保険料・燃料費・駐車場代)
RCZの年間維持費は、国産の同クラスの車よりも高くなることを覚悟しておく必要があります。
以下は、あくまで目安としての年間維持費です。
項目 | 年間費用の目安 |
---|---|
自動車税 | 34,500円(1.6L) |
任意保険 | 80,000円~120,000円 |
燃料費(年間1万km走行) | 150,000円~180,000円 |
駐車場代 | 地域による |
合計(駐車場代除く) | 264,500円~334,500円 |
任意保険料は年齢や等級によって大きく変動しますが、輸入車は車両保険料率が高めに設定されている傾向があります。
車検費用は国産車と比べてどれくらい高い?
RCZの車検費用は、法定費用(自賠責保険、重量税、印紙代)に加えて、点検整備費用がかかります。
交換部品がない場合でも12万円~18万円程度が相場となり、国産車より数万円高くなることが一般的です。
さらに、ブレーキパッドやディスクローター、各種オイルなどの消耗品を交換する必要があれば、費用は20万円を超えることも珍しくありません。
カタログ燃費と実燃費の差は?街乗りリッター8kmは本当か
RCZのカタログ燃費(JC08モード)は12~13km/L前後ですが、実際の燃費は走行状況によって大きく変わります。
特に信号の多い市街地での走行(街乗り)では、実燃費がリッター8~10km/L程度になることが多いようです。
高速道路を中心に走行すれば燃費は伸びますが、燃料費は国産コンパクトカーなどと比較すると高くなることを理解しておきましょう。
突然の出費に備えるべき予算は?修理代として30万円は必要?
プジョーRCZを維持する上で最も重要なのが、予期せぬ故障に備えるための「修理用予備費」です。
購入後、何もトラブルが起きないのが理想ですが、万が一に備えて最低でも30万円、できれば50万円程度の予算を別途確保しておくことを強く推奨します。
この備えがあれば、エアコンやエンジン関連の高額な修理が発生しても、慌てずに対処することができます。
安いだけじゃない!価格以上の価値を持つプジョーRCZの4つの魅力
プジョーRCZが注目されるのは、決して価格が安いからだけではありません。
その価格からは想像できないほどの、多くの魅力と価値を秘めています。
ここでは、オーナーを魅了してやまないRCZの4つの大きな魅力をご紹介します。
魅力1:今なお色褪せない、唯一無二の美しいエクステリアデザイン
RCZの最大の魅力は、何と言ってもその独創的で美しいデザインです。
ルーフからリアウィンドウにかけて描かれる2つの膨らみ「ダブルバブルルーフ」や、筋肉質でグラマラスなフェンダーラインは、他のどの車にもない圧倒的な存在感を放ちます。
生産終了から時間が経った今でもそのデザインは全く色褪せず、街中を走れば誰もが振り返るほどのオーラを持っています。
魅力2:見た目に反して実用的?日常使いもこなす荷室と後部座席
スポーツクーペの外観から実用性は低いと思われがちですが、RCZは意外なほど実用性を兼ね備えています。
リアシートは、大人が長時間乗るには窮屈ですが、お子さんを乗せたり、緊急時に人を乗せたりするには十分なスペースがあります。
さらに、リアハッチを開けると広大なラゲッジスペースが現れ、後部座席を倒せばゴルフバッグも積載可能です。
見た目に反して、日常の買い物からちょっとした旅行までこなせる使い勝手の良さも魅力の一つです。
魅力3:しなやかな”猫足”が生む、快適な乗り心地と運転の楽しさ
プジョーの伝統である「猫足」と称されるしなやかなサスペンションは、RCZにも受け継がれています。
路面の凹凸を巧みにいなし、硬すぎず柔らかすぎない絶妙な乗り心地を実現しており、長距離ドライブでも疲れにくいのが特徴です。
それでいて、カーブではしっかりと路面を捉え、軽快でスポーティなハンドリングを楽しむことができます。
快適性と運転の楽しさが高次元でバランスしている点も、RCZならではの魅力と言えるでしょう。
魅力4:100万円台から狙える圧倒的なコストパフォーマンス
前述の通り、RCZは様々な理由から中古車価格が安くなっています。
これは見方を変えれば、新車価格が400万円以上した本格的なスポーツクーペを、100万円台から手に入れられるという、圧倒的なコストパフォーマンスを意味します。
同価格帯の国産中古車では得られないデザイン性、走行性能、そして所有する満足感を、驚くほど手頃な価格で享受できるのは、RCZを選ぶ最大のメリットかもしれません。
【賢い買い方】失敗しないプジョーRCZ中古車の選び方と購入後の付き合い方

プジョーRCZを賢く購入し、長く楽しむためには、いくつかの重要なポイントがあります。
価格の安さだけに目を奪われず、総合的な視点で車両を選び、購入後のカーライフを見据えることが失敗しないための鍵となります。
予算の考え方:「車両価格+予備の修理費」で総額を計算する
RCZを購入する際の予算は、車両本体価格だけで考えてはいけません。
必ず「車両価格+予備の修理費(最低30万円以上)」を総額として計算しましょう。
この考え方を持つことで、購入後に突発的な故障が発生しても金銭的に困窮することなく、安心して対応できます。
予算内で最も状態の良い車両を探すことが、結果的に最も賢い買い物に繋がります。
信頼できる販売店の見つけ方と保証の重要性
RCZのような輸入中古車は、どこで買うかが非常に重要です。
プジョーの取り扱い実績が豊富で、車種の弱点を熟知している専門店や、信頼できる販売店から購入することをおすすめします。
また、購入後のトラブルに備え、保証付きの車両を選ぶことも大切です。
保証期間や保証範囲(エンジンやミッションだけでなく、電装系までカバーしているかなど)を契約前にしっかりと確認しましょう。
走行距離と年式はどこまで許容できる?狙い目の個体とは
年式が新しく走行距離が少ない個体ほど状態が良い傾向にありますが、価格は高くなります。
RCZの場合、単に低走行であることよりも、これまでどれだけ適切にメンテナンスされてきたかが重要です。
狙い目は、整備記録簿が完備されており、定期的なメンテナンスが施されてきたことが確認できる車両です。
走行距離が5万km前後でも、しっかりと整備されてきた個体であれば、安易な低走行車よりも良いコンディションを保っている可能性があります。
購入前に探しておくべき、信頼できる専門の整備工場
購入後のメンテナンスや車検、万が一の修理を任せられる、信頼できる整備工場を事前に見つけておくことは非常に重要です。
自宅や職場の近くに、プジョーをはじめとするフランス車の整備を得意とする専門工場があるかを探しておきましょう。
ディーラーだけでなく、良心的な価格で質の高いサービスを提供してくれる独立系の整備工場を知っておくと、維持費を抑えながら安心してRCZに乗り続けることができます。
まとめ:プジョーRCZが安い理由を理解し賢く選ぶ
プジョーRCZが安い理由は、故障リスクや維持費への懸念、そして市場での需要が限られていることにあります。
しかし、その背景を正しく理解し、弱点を踏まえた上で賢く車両を選べば、価格を遥かに超える価値と満足感を得られる一台です。
この記事で解説したポイントを参考に、あなたにとって最高のRCZを見つけてください。
- プジョーRCZが安い主因は輸入車特有の故障リスクと高額な修理費である
- 特にタイミングチェーンの伸びやエアコン故障は高額修理に繋がりやすい
- 2ドアクーペという趣味性の高さと生産終了が中古車価格を下げる要因
- 年間維持費は国産車より高く、修理用の予備費として30万円以上は確保すべき
- 唯一無二のデザインと「猫足」と称される乗り心地は大きな魅力
- 見た目に反し後部座席と広い荷室があり実用性も備える
- 購入時は整備記録簿の確認が必須で、保証付き車両を選ぶのが賢明
- 車両価格だけでなく、将来の維持費も考慮した総額予算で検討することが重要
- 信頼できる輸入車専門の整備工場を事前に見つけておくと安心できる
- リスクを理解し対策すれば、価格以上の満足度が得られる趣味性の高い一台である