AliExpressでPCパーツ、特にCPUが驚くほど安く販売されているのを見かけ、「なぜこんなに安いのか?」と疑問に思ったり、「購入したいけれど安全なのか不安…」と感じたりしていませんか。
国内のPCパーツ価格が高騰する中で、AliExpressは豊富な在庫と圧倒的な低価格で魅力的な選択肢となっています。
しかし、海外サイトでの買い物には偽物や詐乗、配送トラブルといったリスクがつきものです。
この記事では、AliExpressのCPUがなぜ安いのかという理由から、偽物や悪質なショップを見抜くための具体的なチェックポイント、安全な支払い方法、万が一トラブルに遭った際の対処法まで、網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、AliExpressでのCPU購入に関する不安を解消し、賢くお得に買い物をするための知識が身につくでしょう。
なぜAliExpressのCPUはこんなに安い?国内価格との違いを徹底解説

結論:アリエクのCPUが安い理由は主に3つ
AliExpressで販売されているCPUが国内市場に比べて著しく安い理由は、主に3つの要因に集約されます。
それは、「バルク品(トレイ品)」の流通、「中間業者を介さない直接取引」、そして「中国独自の製造・流通コスト」です。
これらの要素が組み合わさることで、日本の小売価格とは大きな価格差が生まれています。
理由①:「バルク品(トレイ品)」が多く流通しているから
AliExpressで取り扱われているCPUの多くは、「バルク品」または「トレイ品」と呼ばれるものです。
これらは元々、メーカーがBTO(受注生産)パソコンなどの法人向けに、CPU本体のみを簡易的なトレイに載せて大量に供給する製品です。
一般の店舗で販売されている化粧箱入りの「リテール品」とは異なり、CPUクーラーや説明書、保証書といった付属品が一切ありません。
パッケージや付属品にかかるコストが削減されているため、その分だけ価格を安く設定できるのです。
理由②:中間業者を省き、工場や卸売業者から直接購入できるから
AliExpressは、「世界の工場」と呼ばれる中国のメーカーや卸売業者が、世界中の消費者へ直接商品を販売できるBtoC(企業対消費者)プラットフォームです。
日本の販売代理店や小売店といった中間業者を介さないため、流通にかかるマージンが大幅にカットされます。
サプライチェーンが短い分、コストを圧縮でき、それが販売価格の安さに直結しているのです。
【価格比較】人気のRyzen CPUは日本で買うより数万円も安い?
価格差はモデルによって異なりますが、人気のハイエンドCPUほどその差は顕著になります。
例えば、高性能なゲーミングCPUとして知られる「Ryzen 7 7800X3D」の場合、国内での販売価格が約85,000円であるのに対し、AliExpressではセール時などに53,000円程度で購入できたという実例があります。
このケースでは、実に32,000円もの価格差があり、自作PCのコストを大幅に抑えることが可能です。
「偽物が届く」は本当?AliExpressのCPUに潜む5つのリスクと実態

リスク①:偽物やスペックを偽装した「リマーク品」が紛れている可能性
残念ながら、AliExpressには不正品や偽物を販売する悪質なショップが紛れているのは事実です。
AliExpressの担当者もその存在を認めており、プラットフォーム側で排除に努めていますが、膨大な数のショップを完全に管理しきれていないのが現状です。
安価なCPUの型番を上位モデルに書き換えた「リマーク品」や、全く動作しない偽物が送られてくるリスクはゼロではないと認識しておく必要があります。
リスク②:偽物のCPUを使うとどうなる?性能不足やPC故障の危険性
もし偽物のCPUをPCに組み込んでしまった場合、「安物買いの銭失い」では済まない深刻な事態に陥る可能性があります。
まず、スペックが偽装されているため、期待した性能が全く出ずに動作が不安定になります。
さらに、品質管理がずさんな偽物は電圧や発熱のコントロールが正常でなく、マザーボードやメモリなど、他の高価なパーツまで巻き込んで故障させてしまう危険性があります。
最悪の場合、発煙や発火に至るケースも報告されており、安全面でも重大なリスクを伴います。
リスク③:メーカーの正規保証やサポートは受けられない
前述の通り、AliExpressで販売されているCPUの多くはバルク品です。
バルク品にはメーカーによる正規の保証が付帯しないのが一般的です。
そのため、万が一初期不良や故障が発生した場合、メーカーのサポートを受けることはできず、対応は全て購入した販売者に委ねられます。
販売者によっては対応が遅かったり、保証自体がなかったりするため、トラブル解決が困難になる場合があります。
リスク④:配送の遅延・紛失トラブルと簡素な梱包による破損リスク
AliExpressの商品は中国など海外から発送されるため、到着までに通常2週間から1ヶ月程度の時間がかかります。
また、国際配送の過程で荷物が紛失する「ロスト」のリスクも皆無ではありません。
さらに、コスト削減のために梱包が非常に簡素な場合があり、精密機器であるCPUが配送中の衝撃で破損してしまう可能性も考慮しておく必要があります。
【なんj・SNSの評判】実際にあった購入トラブルのリアルな声
インターネット上の掲示板(なんjなど)やSNSでは、AliExpressでのCPU購入に関する様々な体験談が見られます。
「国内の半額でRyzenが買えた」といった成功体験が数多く報告される一方で、「CPUが認識しなかった」「偽物をつかまされた」「返品交渉が非常に面倒だった」といったトラブル報告も少なくありません。
これらのリアルな声は、価格の魅力と潜在的なリスクの両方が存在することを示しており、購入を検討する上で貴重な参考情報となります。
【最重要】安全なショップと”本物”のCPUを見抜く7つのチェックポイント
ポイント①:AliExpress公式の「認定ラベル」が付いているか?
AliExpressでは、信頼性の高いショップや商品に公式のラベルを付与しています。
特に「Choice AliExpressの保証」や「認定ブランド/メーカー・認証正規品」というラベルは、プラットフォームが品質や正規品であることを保証している証です。
また、「Big Save」ラベルはAliExpress協賛でセールを行っている店舗で、安全度が高いとされています。
これらのラベルが付いているショップを優先的に選ぶことが、安全な買い物の第一歩です。
ポイント②:ストア評価(星4.7以上)、フォロワー数、開店期間は十分か?
個別のストア情報を確認することも極めて重要です。
目安として、ストアの総合評価が5段階中「4.7以上」であること、多くの注文実績とレビュー数があることを確認しましょう。
また、開店してからの運営期間が長く、フォロワー数が多いストアは、それだけ多くのユーザーから支持されている証拠であり、信頼性が高いと判断できます。
ポイント③:「写真付きの日本人レビュー(ローカルレビュー)」を熟読する
商品のレビュー欄では、フィルタ機能を使って「ローカルレビュー」を確認してください。
これにより、自分と同じ日本から購入したユーザーのレビューだけを絞り込んで読むことができます。
実際に商品が届いた状態がわかる写真付きのレビューは特に参考になります。
良い評価だけでなく、低評価のレビューにも目を通し、どのようなトラブルがあったのかを事前に把握しておくことが大切です。
ポイント④:国内相場と比べて「異常に安すぎる価格」ではないか?
AliExpressのCPUは確かに安いですが、市場価格からかけ離れた「異常な安値」には注意が必要です。
例えば、国内で10万円するCPUが1万円で売られているといったケースは、偽物や詐欺である可能性が極めて高いと言えます。
購入前には国内の価格相場をリサーチし、適正な割引率の範囲内であるかを確認する冷静な視点が必要です。
ポイント⑤:商品説明で「新品/バルク品」の状態が明確か?
商品の説明ページをよく読み、「新品(New)」なのか「中古(Used)」なのか、あるいは「バルク品」なのか、商品の状態が明確に記載されているかを確認しましょう。
説明が曖昧であったり、重要な情報が欠けていたりする商品は避けるのが無難です。
バルク品であることを理解した上で購入するのと、知らずに購入するのとでは、万が一の際の納得感が大きく異なります。
ポイント⑥:CPU本体の刻印や写真に不自然な点はないか?
商品ページに掲載されているCPU本体の写真を注意深く観察してください。
偽物の中には、CPU表面にあるモデル名などの刻印のフォントが正規品と異なっていたり、文字が薄かったりするものがあります。
また、ヒートスプレッダ(CPUの金属部分)の形状や色味に違和感がないか、公式サイトの画像などと比較してみるのも有効な見分け方の一つです。
ポイント⑦:購入前に販売者へ質問し、対応の質を見る
少しでも商品に疑問や不安な点があれば、購入前にチャット機能を使って販売者に直接質問してみましょう。
質問に対して迅速かつ丁寧に回答してくれる販売者は、信頼できる可能性が高いです。
逆に、返信が極端に遅かったり、質問とはぐらかすような曖昧な回答しか返ってこなかったりする場合は、そのショップからの購入は見送るべきでしょう。
AliExpressでのCPU購入手順|登録から支払いまで初心者向けに解説

STEP1:アカウントの作成と発送先住所の登録方法と注意点
まず、AliExpressの公式サイトまたはアプリでアカウントを作成します。
メールアドレスとパスワードを設定し、送られてくる認証コードを入力すれば簡単に登録は完了します。
次に、商品を配送するための住所を登録します。
「アカウント」→「設定」→「配送先」から入力画面に進みますが、名前や住所は全て日本語で入力して問題ありません。
登録後は、住所や電話番号に間違いがないか必ず見直してください。
住所間違いは商品の不着や紛失に直結し、解決に膨大な時間がかかる可能性があります。
STEP2:安全な支払い方法は?PaypalかPayPayがおすすめな理由
AliExpressでは複数の支払い方法が利用できますが、セキュリティの観点から「PayPal」または「PayPay」の利用を強く推奨します。
PayPalは、販売者に自分のクレジットカード情報を直接渡すことなく決済できるサービスです。
万が一不正利用の被害に遭っても、PayPalの強力な買い手保護制度によって守られるため、海外サイトでの買い物には最適です。
また、PayPayも同様にカード情報を渡す必要がなく、普段から利用しているユーザーにとっては手軽な決済手段と言えるでしょう。
なぜクレジットカードの直接払いは非推奨なのか?
可能な限り、AliExpressのサイトにクレジットカード情報を直接登録するのは避けるべきです。
AliExpress自体は大手企業ですが、海外のECサイトにカード情報を登録することは、情報漏洩や不正利用のリスクを格段に高めます。
一度情報が流出すると、身に覚えのない請求が続くといった被害に遭う可能性があります。
安全のためにも、決済代行サービスであるPayPalなどを経由する方法が賢明です。
STEP3:クーポンの適用と注文の確定
AliExpressでは、新規ユーザー向けクーポンやストアが独自に発行するクーポンなど、様々な割引が用意されています。
購入したい商品をカートに入れたら、決済画面で利用可能なクーポンがないか確認し、適用してから注文を確定しましょう。
セール期間などを狙うと、さらにお得に購入できる場合があります。
STEP4:購入後の配送状況を確認・追跡する方法
注文が完了すると、「アカウント」→「注文」のページから商品の配送状況を追跡できます。
「注文の追跡」をクリックすると、荷物が現在どこにあるのか、どのようなステータスなのかが詳細に表示されます。
注文してから追跡情報が最初に記録されるまで2~3日かかることがあるので、すぐに反映されなくても心配せず、気長に待ちましょう。
もしもの時の対処法は?不良品が届いた際の返品・返金ガイド

商品到着後に必須!開封時の動画撮影でトラブルに備える
商品が手元に届いたら、すぐに開封するのではなく、まずスマートフォンのカメラを準備してください。
そして、荷物の梱包状態から開封、商品の状態確認までの一連の流れを動画で撮影しておくことを強くお勧めします。
万が一、中身が違う、商品が破損している、といった問題があった場合に、この動画があなたの主張を裏付ける強力な証拠となります。
手間はかかりますが、自分の身を守るための重要な自己防衛策です。
不良品や偽物が届いた場合の返品・返金申請(Open Dispute)の方法
商品に問題があった場合は、AliExpressの「Open Dispute(紛争)」という機能を利用して、販売者に異議申し立てを行います。
注文履歴から該当商品のページを開き、「Open Dispute」ボタンを押して申請手続きを開始します。
ここでは、問題の内容(例:商品が破損している、説明と異なるなど)を選択し、証拠として事前に撮影した写真や動画をアップロードします。
そして、希望する解決策(全額返金、一部返金など)を提示し、販売者との交渉が始まります。
購入者保護制度「バイヤープロテクション」で返金は保証される?
AliExpressには「バイヤープロテクション」という購入者保護制度があります。
これは、「商品が届かない」「説明と異なる商品が届いた」といった場合に、返品や返金を受けられる仕組みです。
販売者との交渉が決裂した場合、AliExpressが仲裁に入り、提出された証拠を基に公正な判断を下します。
あなたの主張が正当であると認められれば、時間はかかりますが返金される可能性は非常に高いです。
この制度があるため、リスクをある程度軽減して買い物ができます。
英語での交渉が不安な場合の対処法と例文
販売者との交渉は基本的に英語で行われることが多いですが、必ずしも流暢な英語力は必要ありません。
Google翻訳などのオンライン翻訳ツールを活用すれば、十分にコミュニケーションは可能です。
要点を簡潔に、客観的な事実(いつ届いたか、どのような問題があるかなど)を伝えることを心がけましょう。
証拠となる写真や動画があれば、多くを語らずとも状況は伝わります。
関税や消費税はかかる?購入前に知っておきたい追加費用
アリエクのCPUに関税はかかる?→PCパーツは原則0%(無税)
海外から商品を輸入する際には関税が気になりますが、パソコンやCPUなどのPCパーツ(HSコード84類)は、日本の関税法において原則として関税率が0%(無税)に設定されています。
そのため、AliExpressでCPUを購入した場合、関税が別途請求されることはありません。
消費税が発生する条件とは?「16,666円」がボーダーライン
関税はかかりませんが、消費税は課税対象となる場合があります。
個人使用目的の輸入の場合、商品の価格(送料・保険料を含む)が16,666円を超えると、日本の消費税(10%)が課される可能性があります。
ただし、計算方法が課税対象額(商品価格の60%)に対して行われるなど複雑なため、必ず請求されるわけではありません。
高額なCPUを購入する際は、配達時に消費税の支払いを求められる可能性があることを念頭に置いておくとよいでしょう。
送料はいくら?配送方法の種類と選び方のポイント
AliExpressの送料は、ショップや配送方法によって大きく異なります。
「送料無料」のオプションも多いですが、これは到着までに時間がかかり、追跡機能がない場合もあります。
精密機器であるCPUを購入する場合は、多少コストがかかっても、追跡機能が付いている「AliExpress Standard Shipping」などの配送方法を選ぶと安心です。
より早く確実に手に入れたい場合は、DHLやFedExといった国際スピード郵便を選択することもできます。
まとめ:アリエク cpu なぜ安いのかを総括
AliExpressでのCPU購入は、その圧倒的な低価格が最大の魅力ですが、偽物や配送トラブルといったリスクも同時に存在します。
安い理由がバルク品や直接取引にあることを理解し、本記事で紹介した安全なショップの見極め方やトラブル対処法を実践することが、賢い買い物への鍵となります。
リスクを正しく理解し、適切な自己防衛策を講じることで、AliExpressはPC自作ユーザーにとって非常に強力な味方となるでしょう。
- アリエクCPUが安い主因はバルク品と直接取引
- 国内価格より数万円安く購入できる場合がある
- 偽物や不良品のリスクはゼロではない
- 偽物CPUはPC全体の故障原因になりうる
- 安全なショップ選びには認定ラベルやレビュー確認が必須
- 支払いにはPaypalやPayPayの利用を推奨
- トラブル発生時は購入者保護制度を利用可能
- 商品開封時の動画撮影は自己防衛に繋がる
- CPUに関税はかからないが消費税は発生する場合がある
- リスクを理解し対策すれば非常に有効な購入手段である