中古車市場でマツダCX-5を探していると、そのスタイリッシュなデザインや装備の充実度に反して、予想以上に手頃な価格で販売されていることに気づくかもしれません。
しかし、同時に「なぜこんなに安いのか?」「もしかして壊れやすいのでは?」といった不安を感じる方も少なくないでしょう。
インターネット上では「cx5 やめとけ」や「ディーゼルは後悔する」といったネガティブな意見が見られることもあり、購入をためらってしまう一因になっています。
この記事では、CX-5の中古車が安い理由を多角的に分析し、購入後に後悔しないための注意点を専門家の視点から徹底的に解説します。
安い理由の裏にあるリスクと、安心して長く乗れる優良な一台を見極めるための知識を身につけていきましょう。
【結論】マツダ CX-5の中古車が安い5つの理由

マツダCX-5の中古車価格が比較的安い理由は、車両自体の欠陥というよりも、市場の原理に基づいた複数の要因が重なっているためです。
主な理由として、市場への供給過多、競合車種との価格競争、頻繁なモデルチェンジ、そして特定のエンジンモデルに対する評価などが挙げられます。
これらの背景を理解することで、なぜお得な価格になっているのかを冷静に判断できるようになります。
理由①:人気車ゆえに中古車市場の在庫が多いため
CX-5は新車として非常に人気が高く、長年にわたり多くの台数が販売されてきました。
人気車であるということは、年数が経過したり、乗り換えのタイミングを迎えたりすると、その分だけ中古車市場に流通する台数も増えることを意味します。
市場に同じような年式や走行距離の車両が多く出回ると、販売店同士での価格競争が起こりやすくなります。
その結果、供給が需要を上回るバランスとなり、一台あたりの価格が下がる傾向にあるのです。
理由②:ライバル車(ハリアーやRAV4)との競争が激しいため
CX-5が属するミドルサイズSUVのセグメントは、国内で最も競争が激しい市場の一つです。
特にトヨタのハリアーやRAV4といった強力なライバル車は、ブランド力やリセールバリュー(再販価値)の高さから中古車市場でも非常に人気があります。
これらの人気車種と比較された際に、CX-5は価格面で優位性を示す必要が出てきます。
性能やデザインで劣っているわけではなくても、市場での競争力を保つために、結果として割安な価格設定に落ち着きやすいのです。
理由③:マイナーチェンジの頻度が高く旧モデルが値下がりしやすいため
マツダは他の自動車メーカーと比較して、年次改良やマイナーチェンジを頻繁に行う傾向があります。
CX-5も毎年のように装備のアップデートやデザインの小変更が加えられてきました。
新しいモデルが登場すると、それ以前のモデルは「旧型」という扱いになり、中古車としての価値が下がりやすくなります。
購入者にとっては、少し前のモデルを選ぶだけで新しい技術やデザインを比較的安価に手に入れられるチャンスとも言えるでしょう。
理由④:評判の分かれるディーゼル車の存在が価格に影響しているため
CX-5の大きな特徴の一つに、「SKYACTIV-D」と呼ばれるクリーンディーゼルエンジンがあります。
このディーゼルモデルは、力強い走りと燃費の良さで高い評価を得る一方で、メンテナンスの特性から乗り手を選ぶ側面も持ち合わせています。
特に短距離走行が中心の乗り方では、エンジンに煤が溜まりやすいという弱点があり、その点が懸念されて敬遠されることがあります。
このような評価の分かれるディーゼルモデルが市場に多く流通していることも、中古車全体の平均価格を押し下げる一因となっています。
理由⑤:新型CX-60やCX-8の登場で旧型イメージが強まったため
近年、マツダはCX-5よりも上級モデルとして、新型のCX-60や3列シートを持つCX-8を市場に投入しました。
これらの新しいSUVが登場したことにより、相対的にCX-5が「一世代前のモデル」というイメージを持たれやすくなりました。
新しいものや、より高級なものを求めるユーザー層が新型モデルへ移行することで、CX-5の中古車需要が少し落ち着き、価格も手頃な水準に調整されている状況です。
安いけど大丈夫?CX-5は「壊れやすい」「やめとけ」と言われる真相

「安い」という言葉には、「何か問題があるのではないか」という不安がつきものです。
特にCX-5に関しては、「壊れやすい」「やめとけ」といった意見が聞かれますが、これは全てのCX-5に当てはまるわけではありません。
その評判の多くは、特にディーゼルエンジンモデルの特性を理解せずに使用したケースに起因しています。
ディーゼルエンジン特有の不具合リスク(DPFの煤詰まり)
CX-5が「壊れやすい」と言われる最大の要因は、ディーゼルエンジンに搭載されている「DPF(Diesel Particulate Filter)」に関連するトラブルです。
DPFは、排気ガスに含まれる煤(スス)を捕集し、燃焼させてクリーンにするための装置です。
この燃焼(DPF再生)にはエンジンが一定の高温状態になる必要があり、高速道路などをある程度の時間走行することで正常に機能します。
しかし、街乗りや短距離の走行ばかりを繰り返していると、DPF再生が十分に行われず、フィルターに煤が詰まってしまいます。
これがエンジンの不調や警告灯の点灯につながり、最悪の場合、高額な修理費用が発生することがあるのです。
エンジン以外の故障リスクは?(電子機器・サスペンション)
エンジン以外の部分では、年式の古いモデルにおいて電子機器の不具合が報告されることがあります。
例えば、ナビゲーションシステムの動作が遅くなったり、バックカメラの映像が乱れたりといったケースです。
また、CX-5はSUVであるため、悪路走行やアウトドアでの使用をされていた車両も少なくありません。
そのような使われ方をした車両は、サスペンションや足回りの部品が消耗している可能性があり、乗り心地の悪化や異音の原因となることがあります。
辛口評価や「最悪」という口コミの多くはディーゼル車の特定の乗り方が原因
結論として、「cx5 やめとけ」や「最悪」といった厳しい評価の背景には、ディーゼル車の乗り方とのミスマッチが大きく関係しています。
毎日のお買い物や数キロ程度の通勤といった「ちょい乗り」がメインのユーザーがディーゼル車を選んでしまうと、前述のDPFトラブルに見舞われる可能性が高まります。
車の特性を知らずに購入し、予期せぬ不調や出費に見舞われた結果、「後悔した」という評価につながっているのです。
逆に言えば、自分の乗り方に合ったエンジンタイプを選び、適切なメンテナンスを行えば、CX-5は決して壊れやすい車ではありません。
後悔しない!安いCX-5の中古車選びで絶対に確認すべき注意点

安いCX-5を安心して購入するためには、価格だけでなく車両の状態を正確に見極めることが極めて重要です。
いくつかの重要なチェックポイントを押さえることで、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
走行距離と年式のバランスは適切か?
中古車の状態を判断する基本的な指標として、「1年あたり1万km」という走行距離の目安があります。
例えば、5年落ちの車であれば走行距離5万km前後が標準的です。
この基準を大幅に超えている場合は、各部品の消耗が進んでいる可能性があります。
逆に、年式が古いにもかかわらず走行距離が極端に少ない車は、長期間放置されていたことでバッテリーやゴム部品などが劣化しているケースも考えられるため、注意が必要です。
『修復歴なし』の車両か?
「修復歴」とは、自動車の骨格(フレーム)部分を修理・交換した経歴があることを指します。
単なるドアの擦り傷やバンパー交換とは異なり、修復歴のある車は過去に大きな事故に遭っている可能性が高いです。
見た目は綺麗に直っていても、フレームにダメージが及んだ車は走行安定性や安全性が低下している恐れがあります。
価格が相場より著しく安い場合は特に注意し、必ず「修復歴なし」と明記されている車両を選びましょう。
メンテナンスノート(整備記録簿)は残っているか?
メンテナンスノートは、その車が過去にどのような点検や整備を受けてきたかを示す「カルテ」のようなものです。
定期的なオイル交換や法定点検がきちんと記録されている車両は、前のオーナーが大切に乗っていた証拠であり、信頼性が高いと言えます。
特にディーゼルモデルを検討する場合は、オイル交換の頻度などが適切であったかを確認する上で非常に重要な資料となります。
販売店の保証は付いているか?内容は十分か?
中古車は新車と違い、購入直後に予期せぬトラブルが発生する可能性もゼロではありません。
万が一の事態に備え、販売店が提供する保証が付いているかを確認しましょう。
保証があれば、一定期間内や特定の走行距離までは無償で修理対応をしてもらえます。
ただし、保証期間だけでなく、「エンジンやトランスミッションなど、重要な部品が保証対象に含まれているか」といった保証内容の詳細までしっかりと確認することが大切です。
あなたに合うのはどっち?ディーゼル車とガソリン車の違いと選び方

CX-5の中古車を選ぶ上で最も重要な選択の一つが、ディーゼル車とガソリン車のどちらを選ぶかです。
それぞれにメリット・デメリットがあり、ご自身の運転スタイルや価値観に合った方を選ぶことが、購入後の満足度を大きく左右します。
【結論】こんな人にはディーゼル車がおすすめ
ディーゼル車は、高速道路を使った長距離移動や、毎日の通勤距離が長い方に最適です。
力強いトルクによる加速性能は、坂道や合流などでストレスのない走りを提供してくれます。
また、軽油はガソリンよりも単価が安いため、走行距離が延びるほど燃料費の面で恩恵を受けられます。
定期的なメンテナンスを厭わず、走りの力強さと経済性を両立させたい方には、ディーゼル車がおすすめです。
【結論】こんな人にはガソリン車がおすすめ
ガソリン車は、主に市街地での走行や、週末に短距離の運転をするのがメインの方に向いています。
ディーゼル車に比べてエンジン音が静かで、振動も少ないため、快適な乗り心地を重視する方には満足度が高いでしょう。
ディーゼル特有のDPFの煤詰まりといった心配がなく、メンテナンス面での気遣いが少ない点も大きなメリットです。
初期費用や維持管理の手間を抑え、静かでスムーズな走りを求めるなら、ガソリン車が賢明な選択となります。
燃料代・維持費・リセールバリューの比較
どちらのエンジンを選ぶか、以下の表を参考に総合的に判断してみてください。
比較項目 | ディーゼル車 | ガソリン車 |
---|---|---|
メリット | ・力強い加速力・長距離での燃費が良い・軽油が安く燃料費を抑えられる | ・エンジンが静かで振動が少ない・車両価格が比較的安い・メンテナンスの手間が少ない |
デメリット | ・短距離走行は不向き・エンジン音や振動が大きめ・オイル交換など維持費がやや高い | ・ディーゼル車に比べると加速力で劣る・長距離での燃費はディーゼルに及ばない |
おすすめの乗り方 | 高速道路の利用が多い、年間走行距離が長い | 街乗り中心、週末の利用がメイン |
【年式・グレード別】お買い得なCX-5中古車の狙い目は?
数あるCX-5の中古車の中から、特にコストパフォーマンスに優れた一台を見つけるための具体的な狙い目をご紹介します。
年式やグレードに注目することで、より満足度の高い選択が可能です。
コスパ最強は2017年式以降の2代目モデル
最もお買い得感が高いのは、2017年にフルモデルチェンジされた2代目(KF系)の初期から中期モデルです。
この世代は、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)」がより洗練され、内外装の質感が大幅に向上しました。
また、安全性能や走行性能も初代から大きく進化しており、現代の車と比較しても見劣りしません。
数回のマイナーチェンジを経ているため、初期のモデルであれば価格もかなりこなれてきており、性能と価格のバランスが非常に良い「狙い目」の年式と言えるでしょう。
おすすめの人気グレード「XD PROACTIVE」「25S L Package」とは
具体的なグレードとしては、ディーゼルモデルであれば「XD PROACTIVE(プロアクティブ)」がおすすめです。
このグレードは、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどの先進安全装備が充実しており、長距離運転の快適性と安全性を高めてくれます。
ガソリンモデルであれば、「25S L Package(Lパッケージ)」が人気です。
本革シートやBOSEサウンドシステムといった上質な装備が標準で備わっており、ワンランク上の高級感を味わうことができます。
中古車であれば、これらの上位グレードも新車に比べてかなり手頃な価格で手に入れることが可能です。
CX-5の中古車購入に関するよくある質問(FAQ)

最後に、CX-5の中古車購入を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
結局、CX-5の中古は「買い」なの?
結論として、CX-5の中古車は「自分のライフスタイルに合ったモデルを、正しい知識で選べば非常にお買い得な車」です。
安い理由が市場の原理によるものであり、車の状態をしっかりと見極めることができれば、価格以上の価値と満足感を得られる可能性が高い一台と言えるでしょう。
乗り心地が硬いって本当?
CX-5の乗り心地は、スポーティでしっかりとした味付けがされています。
そのため、人によっては路面の凹凸を拾いやすく「硬い」と感じることがあるかもしれません。
特にインチの大きなホイールを履いているグレードはその傾向が強まります。
こればかりは個人の感覚による部分が大きいため、購入前には必ず試乗して、ご自身で乗り心地を確認することをおすすめします。
信頼できる中古車販売店の見つけ方は?
信頼できる販売店を見つけるには、いくつかのポイントがあります。
マツダの正規ディーラーが運営する「マツダ認定U-car」は、品質や保証の面で最も安心感が高い選択肢です。
また、全国展開している大手中古車販売店も、保証制度が充実していることが多いです。
お店を選ぶ際は、車両の状態について丁寧に説明してくれるか、メンテナンス記録をきちんと開示してくれるか、といったスタッフの対応も重要な判断基準になります。
まとめ:cx5 中古 安い理由と賢い購入術
- CX-5の中古車が安いのは供給過多が大きな要因である
- ライバル車との競争で価格が抑えられがちである
- ディーゼル車は短距離走行中心だと不具合リスクがある
- 「壊れやすい」との評判は主にディーゼル車の煤問題に起因する
- 購入時はメンテナンス履歴の確認が不可欠である
- 修復歴のない車両を選ぶことが安全の基本である
- 長距離派はディーゼル、街乗り派はガソリン車が適している
- コストパフォーマンスを求めるなら2017年式以降が狙い目である
- 販売店の保証の有無と内容を必ずチェックすること
- 自分の運転スタイルに合ったモデル選びが後悔を防ぐ