「マツダCX-8の中古車が、なぜこんなに安いのだろう?」と疑問に思っていませんか。
新車時にはその高級感と広い室内空間、優れた走行性能で高い評価を得ていたCX-8ですが、中古車市場では驚くほど手頃な価格で取引されています。
実際、後継モデルの登場や市場の動向により、価格は下落傾向にあり、賢く選べば非常にお買い得な一台となっています。
しかし、価格が安いことには必ず理由が存在します。
ディーゼルエンジン特有のメンテナンスや、年式による注意点など、購入前に知っておくべきポイントがいくつかあるのも事実です。
この記事では、CX-8の中古車が安い理由を徹底的に掘り下げるとともに、購入後に「後悔した」とならないための注意点、そして価格帯や目的別の賢い選び方まで、専門的な視点から詳しく解説します。
最後まで読めば、あなたに最適なCX-8中古車を見つけるための知識が身につき、安心して購入に踏み切れるはずです。
マツダCX-8の中古車が驚くほど安い5つの理由

マツダCX-8の中古車価格が安い背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。
主な理由として、後継モデルの登場による市場の変化や、ディーゼル車特有の維持費への懸念、そして供給過多などが挙げられます。
ここでは、価格下落の核心となる5つの理由を詳しく解説します。
理由1:後継モデルCX-60/CX-80の登場による需要の変化
CX-8の中古車価格が下落した最も大きな理由は、後継にあたる新型モデル「CX-60」および「CX-80」の登場です。
新しいモデルが発売されると、旧モデルへの需要が減少し、中古車市場での価格が下がるのは一般的ですが、CX-8の場合は特にその影響が顕著でした。
実際に2023年のCX-60発売後、CX-8の査定額は約20%下落し、中古車在庫も大幅に増加したというデータがあります。
最新の技術やデザインを求めるユーザー層が新型モデルへ移行したことで、中古車市場におけるCX-8の需要と供給のバランスが崩れ、価格下落につながっているのです。
理由2:ディーゼル車特有の維持費とメンテナンスへの懸念
CX-8の中古市場ではディーゼル車が約8割を占めており、その維持費やメンテナンスに対する懸念が価格に影響を与えています。
特に懸念されるのが、DPF(ディーゼル微粒子フィルター)の交換費用で、約30万円と高額になる可能性があります。
また、EGR(排気ガス再循環装置)バルブの故障リスクも指摘されており、修理には15万円から20万円程度の費用が発生することもあります。
こうした将来的にかかる可能性のある高額なメンテナンスコストを買い手が不安視することが、中古車価格を押し下げる一因となっています。
理由3:車検時期と生産終了による「在庫過多」の状況
CX-8は2017年に発売され、2023年12月に生産を終了しました。
初期に購入したオーナーが2回目(5年目)の車検を迎えるタイミングで手放すケースが増加し、中古車市場への供給が一気に増えました。
さらに生産終了が発表されたことで、最終モデルへの乗り換えを検討するオーナーからの下取り車両も増加し、市場は「在庫過多」の状態になっています。
全国のディーラー在庫数が前年比で150%増というデータもあり、供給が需要を上回ることで価格競争が激化し、販売店は値下げをせざるを得ない状況となっているのです。
理由4:燃費性能が現代の基準では見劣りする点
CX-8の燃費性能(WLTCモードで12.8km/L程度)は、発売当時は決して悪くありませんでしたが、最新のハイブリッドSUVなどと比較すると見劣りする点は否めません。
特に同クラスのSUVの平均燃費が15.2km/Lであることを考えると、燃費を重視するユーザーにとっては選択肢から外れやすくなります。
また、環境性能評価の観点から自動車税の優遇対象から外れていることも、長期的な維持費を気にする層からの需要を減少させ、結果として中古車価格に影響を与えています。
理由5:3列シートSUV市場の競争激化とリセールバリュー
CX-8が属する3列シートSUV市場は、他メーカーからも魅力的な車種が多数登場しており、競争が非常に激しいカテゴリーです。
ライバル車の存在がCX-8の相対的な価値に影響を与え、価格競争の一因となっています。
加えて、マツダ車は伝統的にリセールバリュー(再販価値)が他の人気メーカーに比べて低い傾向にある、いわゆる「マツダ地獄」と呼ばれる現象も、中古車価格が安くなる背景の一つとして考えられます。
【2025年最新】マツダCX-8の中古車価格の相場と推移

CX-8の中古車価格は、様々な要因によって変動しています。
ここでは最新のデータに基づき、価格相場の現状と今後の推移、そしてお得に購入するための具体的な情報を解説します。
CX-8の中古車平均価格の推移【下落傾向はいつまで続く?】
2025年4月時点でのマツダCX-8の中古車平均価格は、約268万円となっています。
過去3年間の推移を見ると、おおむね280万円から320万円の範囲で変動していましたが、直近3ヶ月では下落傾向が顕著です。
特に後継モデルCX-80の登場や生産終了の影響が本格化しており、今後も緩やかな下落が続くと予測されます。
この価格下落は、購入を検討している方にとっては大きなチャンスと言えるでしょう。
価格帯別の流通状況|100万円台からでも購入可能か?
CX-8の中古車は、総額140万円台から480万円台まで幅広い価格帯で流通しており、予算に応じて多様な選択肢があります。
特に注目すべきは、総額180万円前後で走行距離5万km前後の「XD プロアクティブ」といった人気グレードが狙える点です。
100万円台の車両は初期型が中心となりますが、状態の良いものを選べばコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
予算に合わせて適切な年式やグレードを選ぶことが重要です。
ガソリン車とディーゼル車の価格差はどのくらい?
CX-8の中古市場ではディーゼルターボエンジン搭載車が全体の約8割を占めており、流通量が豊富です。
一般的に、同じ年式・走行距離・グレードで比較した場合、ガソリン車の方がディーゼル車よりもやや安価な傾向にあります。
これは、新車時の価格差や、前述したディーゼル特有のメンテナンス懸念が影響していると考えられます。
ただし、ガソリン車は流通量が少ないため、希望の条件に合う車両を見つけるのが難しい場合もあります。
お得に購入できる時期とタイミングの見分け方
中古車をお得に購入するには、市場の動向を見極めることが重要です。
自動車業界の決算期にあたる3月や、中間決算期の9月は、販売店が販売目標達成のために価格交渉に応じやすくなる傾向があります。
また、CX-8の場合、特定の登録月(6月と11月)の車両は市場への流入が多くなり、価格が下落しやすいというデータも存在します。
これらの時期を狙うことで、通常よりもお得に購入できる可能性が高まります。
安いCX-8の中古車で後悔しないための7つの注意点

手頃な価格が魅力のCX-8中古車ですが、購入後に後悔しないためには、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。
特にエンジン周りの状態や保証内容など、安いからこそ慎重になるべき注意点を7つに絞って解説します。
注意点1:「故障が多い」は本当?ディーゼルエンジンのチェック必須項目
「マツダのディーゼルは故障が多い」という声を聞くことがありますが、これは適切なメンテナンスを怠った場合に起こりやすいトラブルです。
購入時には、以下の5つの専門的なチェック項目を確認することをおすすめします。
- DPF(ディーゼル微粒子フィルター)の再生履歴
- EGR(排気ガス再循環装置)クーラーの冷却水漏れの有無
- ターボチャージャーのオイルリークの痕跡
- 燃料噴射弁の作動圧力
- 排気ガス分析によるNOx濃度
これらの確認には専門知識が必要なため、信頼できる販売店に診断書の取得を依頼するか、専門業者に点検を依頼することが賢明です。
注意点2:年式による部品供給のリスクはどの程度あるか
CX-8は2023年末に生産を終了しましたが、マツダは生産終了後10年間の部品供給を保証しています。
そのため、当面は部品の調達に大きな問題はないと考えられます。
ただし、年式が古くなるにつれて、特定の部品(ターボチャージャーの構成部品など)の在庫が少なくなり、納期が長くなる可能性は否定できません。
特に初期型を検討する場合は、消耗部品の供給状況について販売店に確認しておくとより安心です。
注意点3:修復歴・冠水歴の見分け方と確認のコツ
修復歴や冠水歴のある車両は、相場よりも大幅に安い価格で販売されていることがありますが、後々のトラブルにつながるリスクが高いため避けるべきです。
車両の状態を証明する「車両品質評価書」や「自動車評価書」を必ず確認しましょう。
また、ボディパネルの隙間のズレや塗装の不自然な跡、シート下のサビや異臭など、ご自身の目で直接確認することも重要です。
少しでも違和感を覚えたら、販売店のスタッフに納得がいくまで質問してください。
注意点4:保証内容はどこまでカバーされる?販売店ごとの比較ポイント
中古車購入時の保証は、万が一の故障に備えるために非常に重要です。
保証内容は販売店によって大きく異なるため、契約前に詳細をしっかりと比較検討する必要があります。
特にCX-8のディーゼル車の場合、高額な修理費用がかかる可能性がある「ターボシステム」や「DPF」が保証対象に含まれているかを確認しましょう。
メーカー系の延長保証と販売店独自の保証ではメリット・デメリットが異なるため、保証範囲、期間、費用を総合的に判断することが大切です。
注意点5:走行距離と年式のどちらを優先して選ぶべきか
中古車選びでは「低年式・低走行」か「高年式・多走行」かで悩むことがよくあります。
CX-8の場合、ディーゼルエンジンは短距離走行の繰り返し(チョイ乗り)が煤の蓄積につながりやすいため、年式が新しくても走行距離が極端に少ない車両には注意が必要です。
むしろ、ある程度の距離を定期的に走行していた車両の方がエンジンのコンディションが良い場合があります。
年式と走行距離のバランスを見ながら、過去のメンテナンス履歴と合わせて総合的に判断することが失敗しないコツです。
注意点6:購入後に後悔?大きすぎるサイズ感と取り回しの実態
CX-8は全長4,925mm、全幅1,845mmと、国産SUVの中でも大柄なボディサイズです。
その分、室内空間の広さが魅力ですが、運転に慣れていない方や、狭い道、駐車スペースを頻繁に利用する方にとっては、その大きさがデメリットになる可能性があります。
購入前には必ず試乗を行い、自宅の駐車場に入るか、普段利用する道での取り回しに問題がないかを実際に確認することをおすすめします。
購入後に「大きすぎて扱いにくい」と後悔しないよう、ご自身の利用環境をしっかりと考慮しましょう。
注意点7:メンテナンス履歴(整備記録簿)で確認すべきこと
整備記録簿は、その車が過去にどのようなメンテナンスを受けてきたかを知るための重要な書類です。
特にCX-8のディーゼル車では、エンジンオイルの交換履歴が重要になります。
メーカーが指定するサイクルで定期的にオイル交換が行われていたかを確認しましょう。
記録簿がしっかりと残っている車両は、前のオーナーが大切に乗っていた証拠でもあり、信頼性の高い中古車であると判断する一つの基準になります。
【価格帯・目的別】失敗しないマツダCX-8中古車の賢い選び方

CX-8の中古車は選択肢が豊富だからこそ、どのモデルを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、前期型と後期型の違いから、予算や目的に合わせたおすすめのグレードまで、具体的な選び方を解説します。
前期型と後期型の違いはどこ?デザイン・性能の進化を徹底比較
CX-8は、2019年11月のマイナーチェンジを境に「前期型」と「後期型」に大別されます。
両者にはデザインや性能面でいくつかの違いがあります。
比較項目 | 前期型 (2017年12月~2019年10月) | 後期型 (2019年11月~) |
---|---|---|
フロントグリル | 横基調のデザイン | 縦基調でより精悍なデザイン |
インフォテインメント | 7インチまたは8インチディスプレイ | 8インチまたは10.25インチに大型化 |
走行性能 | G-ベクタリングコントロール | G-ベクタリングコントロールプラスに進化 |
エンジン | ディーゼル/2.5LガソリンNA | ディーゼル/2.5LガソリンNA/2.5Lガソリンターボ |
安全装備 | 基本的な安全装備 | i-ACTIVSENSEが進化・標準装備化 |
外観の好みはもちろん、走行性能や快適性を重視するなら後期型がおすすめですが、前期型は価格がより手頃という大きなメリットがあります。
【予算180万円〜】コスパで選ぶなら前期・中期型「XD プロアクティブ」
なるべく価格を抑えつつ、満足度の高いCX-8を手に入れたい方には、総額180万円前後から狙える前期・中期型の「XD プロアクティブ」が最適です。
このグレードは、トルクフルな2.2Lディーゼルターボエンジンを搭載し、パワーシートやシートヒーター、ステアリングヒーターといった快適装備も標準で備わっています。
本革シートにはこだわりがないという方であれば、装備面での不満はほとんど感じないでしょう。
まさにコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
【予算250万円〜】豪華装備が魅力の上級グレード「Lパッケージ」
もう少し予算を上げて、より上質な内装や装備を求めるなら「Lパッケージ」グレードがおすすめです。
「XD Lパッケージ」であれば、総額250万円前後が目安となります。
このグレードの魅力は、何と言っても質感の高い本革シートです。
さらに、スピーカーが「BOSEサウンドシステム」になるなど、ワンランク上の快適性を享受できます。
ラグジュアリーな雰囲気を重視する方にぴったりのグレードです。
【予算330万円〜】最上級を狙うなら「エクスクルーシブモード」や熟成された最終型
最高のCX-8を求めるなら、最上級グレードの「エクスクルーシブモード」が選択肢に入ります。
専用デザインのフロントグリルや、ベンチレーション機能付きのナッパレザーシートなど、他のグレードとは一線を画す豪華な仕様が特徴です。
総額330万円前後から、走行距離の少ない良質な車両を見つけることができます。
また、2022年11月以降の最終型は、デザインと走行性能がさらに熟成されており、こちらも総額400万円前後で狙うことができ、満足度の高い選択となるでしょう。
結局ガソリンとディーゼルはどっちがいい?モデルごとの長所と短所
CX-8選びで最後に悩むのが、ガソリン車とディーゼル車のどちらを選ぶかという点です。
それぞれの長所と短所を理解し、ご自身の使い方に合ったモデルを選びましょう。
ディーゼルエンジン
- 長所: トルクが強く力強い加速感、燃費が良い、燃料代(軽油)が安い
- 短所: 短距離走行が多いと煤が溜まりやすい、メンテナンス費用が高くなる可能性がある、車両価格が比較的高め
ガソリンエンジン
- 長所: エンジン音が静かで振動が少ない、車両価格が比較的安い、メンテナンスの懸念が少ない
- 短所: ディーゼルに比べて燃費が劣る、トルク感がやや物足りない場合がある
高速道路や長距離の移動が多い方はディーゼルの恩恵を受けやすく、街乗り中心で静粛性を重視する方はガソリン車が向いていると言えます。
まとめ:CX-8の中古が安い理由と賢い選び方
CX-8の中古車が安い理由から、購入時の注意点、そして賢い選び方までを解説しました。
価格下落の背景には複合的な要因がありますが、それを理解し、適切な知識を持って選べば、非常にコストパフォーマンスの高い一台を手に入れることが可能です。
- CX-8の中古車が安い最大の理由は後継モデルCX-60/CX-80の登場である
- ディーゼル車特有のメンテナンス懸念も価格下落の一因となっている
- 車検時期や生産終了に伴う在庫過多が価格競争を招いている
- 中古車平均価格は下落傾向にあり、100万円台から購入も可能である
- 購入後の後悔を避けるにはディーゼルエンジンの状態確認が最重要である
- 年式と走行距離だけでなくメンテナンス履歴も重視すべきである
- 前期型と後期型ではデザインや性能、装備に違いがあるため比較検討が必要である
- 予算180万円前後ならコストパフォーマンスに優れた「XD プロアクティブ」が狙い目である
- 予算や目的に応じて「Lパッケージ」や「エクスクルーシブモード」も魅力的な選択肢となる
- 自分の運転スタイルに合わせてガソリン車とディーゼル車を選ぶことが満足度を高める鍵である