「マツダCX-3の中古車、デザインは好きなのに、なぜこんなに安いのだろう?」
スタイリッシュなコンパクトSUVとして人気のCX-3ですが、中古車市場に目を向けると、驚くほど手頃な価格で流通していることに気づきます。
その安さには、単なる人気だけでなく、コンパクトSUV市場の厳しい競争や実用面での評価、さらにはマツダならではの車種ラインナップといった、複数の理由が隠されています。
この記事では、CX-3の中古車が安い理由を徹底的に掘り下げるとともに、実際の購入で後悔しないための賢い選び方を専門家の視点から解説します。
年式ごとのおすすめグレードから、注意が必要なディーゼルモデルの特徴、気になる維持費や燃費、そしてライバル車との比較まで、あなたの疑問をすべて解決します。
【結論】マツダCX-3の中古車が安い4つの衝撃的な理由

理由1:ライバルが多すぎる!コンパクトSUV市場の熾烈な競争
マツダCX-3の中古車が安い最大の理由は、コンパクトSUVというジャンルが自動車市場で最も競争の激しい「激戦区」である点にあります。
トヨタのC-HRやヤリスクロス、ホンダのヴェゼルといった強力なライバルがひしめき合っており、中古車市場でも常に高い人気を誇っています。
これらの人気車種と比較されると、CX-3は需要の面で一歩譲る形となり、結果として価格を下げざるを得ない状況が生まれているのです。
言い換えれば、多くの選択肢がある中で、消費者の注目を集めるために価格面での魅力が必要不可欠となっているわけです。
理由2:身内にも敵が?CX-30やCX-5との社内競合
CX-3の価格に影響を与えているのは、他社のライバルだけではありません。
マツダのラインナップ内にも、CX-30やCX-5といったSUVの兄弟車が存在します。
特にCX-30は、CX-3より新しい世代のプラットフォームを採用し、室内空間も広く実用性が高いため、多くのユーザーがCX-30を選択する傾向にあります。
また、より本格的なSUVを求める層は、一つ上のクラスであるCX-5に流れます。
このように、マツдаのSUVラインナップの中でCX-3の立ち位置がやや中途半端になり、結果的に中古車市場での需要が分散してしまうことも、価格が安くなる一因となっています。
理由3:「おしゃれだけど狭い…」後部座席と荷室の実用性の限界
CX-3は「魂動デザイン」による流麗でスタイリッシュなエクステリアが高い評価を得ている一方で、そのデザインを優先した結果、実用面で弱点を抱えています。
特に指摘されるのが、後部座席と荷室の狭さです。
大人が後部座席に長時間乗るには少し窮屈に感じられ、荷室も同クラスのライバル車と比較して容量が小さいため、ファミリーユースや大きな荷物を積む機会が多いユーザーからは敬遠されがちです。
この「実用性の限界」が、中古車市場での需要を限定的なものにし、価格が下がりやすい要因となっています。
理由4:新車時の大幅値引きが中古車価格に与える影響
自動車の中古車価格は、新車販売時の価格設定や値引き額に大きく左右されます。
CX-3は、モデルライフの中で競合車に対抗するため、新車販売時にある程度の値引きが行われるケースがありました。
新車を安く購入できるということは、その車を手放す際のリセールバリュー(再販価値)も下がりやすい傾向にあることを意味します。
新車時の購入価格が中古車価格の基準の一つとなるため、この値引きが中古車市場での価格を押し下げる要因として働いているのです。
実際いくらで買える?CX-3の中古車価格のリアルな相場

【一覧表】年式・走行距離別の中古車価格相場を徹底解説
CX-3の中古車価格は、年式や走行距離によって大きく変動します。
一般的に、3年落ちや5年落ちといった車検のタイミングで市場に出回る車両が増え、価格が一段階下がる傾向にあります。
以下に、現在のリアルな中古車価格の相場をまとめましたので、予算を立てる際の参考にしてください。
年式 | 走行距離 | 中古価格相場(支払総額) |
---|---|---|
2015-2016年式 | 8万km~ | 80万円~130万円 |
2017-2018年式 | 5万~8万km | 120万円~170万円 |
2019-2020年式 | 3万~5万km | 150万円~200万円 |
2021年式以降 | 3万km未満 | 180万円~240万円 |
※2024年時点の相場であり、車両の状態やグレードによって価格は変動します。
予算100万円前後で狙えるCX-3はどんな状態?
予算100万円前後でCX-3を探す場合、選択肢の中心となるのは2015年~2017年式の初期モデルです。
走行距離は8万kmから10万kmを超えている車両が多くなりますが、マツダ車は耐久性に定評があるため、メンテナンスがしっかり行われていれば十分に安心して乗ることができます。
この価格帯で選ぶ際は、内外装の状態はもちろん、「定期点検記録簿」が残っているかを確認し、過去の整備履歴が明確な車両を選ぶことが非常に重要です。
修復歴の有無も必ずチェックしましょう。
ガソリン車とディーゼル車、価格が安いのはどっち?
中古車市場においては、ディーゼル車の方がガソリン車よりもやや安い価格帯から見つけることが可能です。
これは、CX-3がデビュー当初ディーゼルエンジンのみのラインナップだったため、市場に流通している台数が多く、年式の古い個体も豊富だからです。
一方、ガソリンモデルは後から追加されたため、比較的高年式の車両が中心となり、最低価格帯はディーゼル車よりも高くなる傾向があります。
ただし、同じ年式・同程度の走行距離で比較すると、価格差は小さくなります。
後悔しない中古CX-3の選び方!おすすめの年式とグレードは?
狙い目は2018年以降!安全性能と乗り心地が大幅に進化した改良後モデル
中古のCX-3を賢く選ぶなら、最もおすすめしたいのは2018年5月以降に販売された後期モデルです。
このタイミングで大幅な商品改良が行われ、乗り心地や静粛性、安全性能が格段に向上しています。
具体的には、フロントシートのクッション材が改良されて乗り心地が良くなったほか、遮音材の追加で車内が静かになりました。
さらに、夜間の歩行者検知も可能な衝突被害軽減ブレーキが採用されるなど、安全装備もアップデートされています。
価格は前期モデルより少し高くなりますが、満足度を考えれば十分にその価値がある選択と言えるでしょう。
【目的別】あなたに合うのはこれ!おすすめグレード徹底比較
CX-3には複数のグレードが存在しますが、それぞれの特徴を理解することで、自分のライフスタイルに最適な一台を見つけやすくなります。
- コストパフォーマンス重視なら「15S Touring」
軽快な走りが魅力の1.5Lガソリンエンジンを搭載。
必要な安全装備は備えつつ、車両価格を抑えたい方におすすめです。 - 燃費と装備のバランスなら「XD Touring」
力強いトルクと低燃費を両立した1.8Lディーゼルエンジン搭載。
装備も充実しており、長距離ドライブが多い方に最適なバランスの取れたグレードです。 - 上質な内外装を求めるなら「XD L Package」や特別仕様車
レザーシートや先進装備が標準となる上級グレード。
「Noble Brown」や「Exclusive Mods」といった特別仕様車は、さらにこだわりの内外装で所有する満足感を高めてくれます。
ガソリン車とディーゼル車、どっちを選ぶべき?メリット・デメリットを解説
ガソリン車とディーゼル車のどちらを選ぶべきかは、車の使い方によって異なります。
- ガソリン車がおすすめな人
主に街乗りや短距離の移動が多く、静かで軽快な走りを好む方に向いています。
エンジン構造がシンプルなため、メンテナンス面での懸念が少ないのもメリットです。 - ディーゼル車がおすすめな人
高速道路を使った通勤や長距離ドライブが多い方におすすめです。
軽油の価格の安さと優れた燃費性能で燃料費を抑えられ、低回転から発生する力強いトルクが余裕のある走りを提供します。
購入前に要チェック!「買ってはいけない」中古車の見分け方
安さに惹かれて購入した後に後悔しないために、避けるべき中古車の特徴を知っておくことが重要です。
最も重要なのは「定期点検記録簿」がない、または整備履歴が不明確な車両です。
オイル交換などの基本的なメンテナンスが適切に行われてきたかを確認できないため、将来的なトラブルのリスクが高まります。
また、下回りを覗き込んで、フレームに過度なサビや腐食がないかもチェックしましょう。
特に降雪地域で使われていた車両は注意が必要です。
不自然に新しいパーツが付いていたり、パネルの隙間が均一でなかったりする場合は、修復歴を隠している可能性も疑いましょう。
要注意!中古CX-3のディーゼル車で後悔しやすい人の特徴
煤問題は大丈夫?DPF(ディーゼル微粒子フィルター)の詰まりリスクとは
中古のディーゼル車を検討する際に必ず知っておきたいのが、DPF(ディーゼル微粒子フィルター)の存在です。
DPFは、排気ガスに含まれる煤(すす)を捕集し、燃焼させてクリーンにするための装置です。
この燃焼(DPF再生)にはエンジンを一定時間高温で回す必要があり、短距離走行の繰り返しでは再生がうまく行われず、フィルターが詰まってしまうことがあります。
フィルターが詰まると、警告灯の点灯やエンジンの不調につながり、最悪の場合は高額な修理費用が発生する可能性があります。
街乗り・ちょい乗りメインの人はガソリン車が無難な理由
前述のDPFの特性上、ディーゼル車は「走行距離が短い」「信号の多い市街地ばかり走る」といった使い方にはあまり向いていません。
DPF再生が頻繁に中断されると、かえって燃費が悪化したり、エンジンオイルが劣化しやすくなったりするデメリットがあります。
もしあなたのカーライフが「通勤は片道10分程度」「週末の買い物くらいしか乗らない」というスタイルなのであれば、トラブルのリスクが少なく、軽快に走れるガソリン車を選ぶ方が賢明な選択と言えます。
ディーゼル車購入時に必ず確認したいメンテナンス履歴
中古のディーゼル車を選ぶ際は、メンテナンス履歴の確認がガソリン車以上に重要になります。
特にチェックしたいのが、エンジンオイルの交換履歴です。
ディーゼルエンジンはオイルが汚れやすいため、メーカー推奨のサイクルで定期的に交換されているかを確認しましょう。
また、記録簿の中にDPF関連の警告灯点灯や修理の履歴がないかも合わせて確認しておくと、より安心して購入することができます。
信頼できる販売店であれば、こうした情報も正直に教えてくれるはずです。
購入前に知っておきたい!CX-3の維持費と燃費はどのくらい?

【年間費用シミュレーション】ガソリン車 vs ディーゼル車の維持費を完全比較
CX-3の年間の維持費は、ガソリン車とディーゼル車で若干異なります。
以下に、税金や保険料、燃料代を含めた費用の目安をまとめました。
項目 | ガソリン車 (1.5L) | ディーゼル車 (1.8L) |
---|---|---|
自動車税 | 30,500円 | 36,000円 |
重量税(2年分÷2) | 約12,300円 | 約12,300円 |
自賠責保険(2年分÷2) | 約9,000円 | 約9,000円 |
任意保険料(目安) | 約60,000円 | 約60,000円 |
燃料代(年間1万km走行) | 約107,000円 | 約72,000円 |
年間合計(目安) | 約218,800円 | 約198,300円 |
※任意保険は年齢や等級、燃料代は燃費や燃料価格により変動します。
燃料代の安さから、年間のトータルコストではディーゼル車の方がやや有利になることが分かります。
カタログ燃費と違う?街乗り・高速でのリアルな実燃費データ
車の燃費は、カタログの数値と実際の走行で差が出ることがほとんどです。
CX-3のオーナーからの報告を基にした、よりリアルな燃費データは以下の通りです。
エンジン | 駆動方式 | 街乗りでの実燃費 | 高速道路での実燃費 |
---|---|---|---|
1.5L ガソリン | 2WD | 約12~14 km/L | 約16~18 km/L |
1.8L ディーゼル | 2WD | 約16~18 km/L | 約20~23 km/L |
やはり燃費性能ではディーゼル車に軍配が上がります。
特に高速道路を一定速度で走行するようなシチュエーションでは、その差が顕著に現れます。
故障が多いって本当?壊れやすい箇所と修理費用の目安
CX-3は全体的に信頼性の高い車ですが、年式が古くなるといくつかの箇所でトラブルが報告されることがあります。
特に注意したいのは、エアコン関連の不具合や、センサー類の故障といった電装系のトラブルです。
エアコンのコンプレッサーが故障すると修理費用が10万円を超えることもあります。
ディーゼル車の場合は、前述のDPF関連のトラブルに加え、インジェクターの不具合なども考えられます。
大きな故障を未然に防ぐためにも、定期的な点検を怠らず、少しでも異変を感じたら早めに専門家に見てもらうことが大切です。
CX-3とCX-30、中古で買うならどっち?5つの違いを徹底比較
サイズと室内の広さの違いは?後部座席と荷室を実測比較
CX-3とCX-30は似たようなサイズのSUVに見えますが、室内の広さには明確な差があります。
CX-30はCX-3よりも全長で12cm、全幅で3cm大きく、その差は後部座席の足元スペースや荷室の容量に直結しています。
後部座席に人を乗せる機会が多い方や、ベビーカーやゴルフバッグなど大きな荷物を積みたい方は、CX-30の方が明らかに使い勝手が良いと感じるでしょう。
デザインの好みもありますが、実用性を重視するならCX-30が優位です。
運転のしやすさと乗り心地の違い
運転のしやすさという点では、よりコンパクトなCX-3にメリットがあります。
狭い道でのすれ違いや駐車場での取り回しは、CX-3の方が気楽に行えます。
一方、乗り心地や静粛性といった「走りの質」では、新世代の技術が投入されたCX-30が勝ります。
路面からの衝撃をうまくいなし、長距離を運転しても疲れにくいのはCX-30です。
どちらが良いかは、何を優先するかによって変わってきます。
価格とコストパフォーマンスで選ぶならどっち?
中古車としての価格を比較すると、CX-3の方が圧倒的に安く購入できます。
同じくらいの年式や走行距離であれば、CX-30よりも30万円から50万円ほど安く手に入れることが可能です。
最新の装備やより広い室内空間にこだわらないのであれば、CX-3は非常にコストパフォーマンスが高い選択肢と言えます。
予算を抑えつつ、スタイリッシュなマツダのSUVに乗りたいという方には、CX-3が最適な答えになるでしょう。
中古のマツダCX-3購入に関するよくある質問
Q. どこで買うのがおすすめ?ディーラー認定中古車と専門店の違いは?
A. 安心感を最優先するなら、マツダのディーラーが販売する「認定中古車」がおすすめです。
厳しい基準をクリアした高品質な車両が多く、購入後の保証も手厚いのが特徴です。
ただし、価格は一般的な中古車専門店よりも高めに設定されています。
一方、中古車専門店は価格の安さと在庫の豊富さが魅力です。
信頼できるお店を自分で見極める必要はありますが、掘り出し物に出会える可能性もあります。
Q. 運転はしやすい?女性や初心者でも大丈夫?
A. はい、CX-3はコンパクトなボディサイズで見切りも良いため、運転が苦手な方や初心者の方でも非常に運転しやすい車です。
狭い路地や駐車場でもストレスを感じることは少ないでしょう。
ただし、デザイン上、後方や斜め後ろの視界がやや狭いと感じる方もいます。
購入する際は、バックモニターやブラインドスポットモニタリングといった安全装備が付いているグレードを選ぶと、さらに安心して運転できます。
Q. マツダの「パックdeメンテ」は中古車でも加入する価値ある?
A. 「パックdeメンテ」は、定期点検とオイル交換などをセットにしたマツダのメンテナンスパッケージです。
中古車でも加入可能で、車のメンテナンスをすべてディーラーに任せたい方や、点検の時期を忘れがちな方にとっては、安心でお得なサービスと言えます。
一方で、年間走行距離が極端に少ない方や、自分でメンテナンス管理ができる方にとっては、割高になる場合もあります。
ご自身のカーライフに合わせて加入を検討するのが良いでしょう。
まとめ:cx-3の中古がなぜ安いか完全解説
- CX-3の中古車が安いのは、コンパクトSUV市場の競争激化が主な理由である
- マツダ社内のCX-30やCX-5との競合も中古価格に影響している
- 後部座席や荷室の狭さという実用面での弱点が需要を限定的にしている
- 中古で狙うなら安全性能や乗り心地が向上した2018年以降のモデルが推奨される
- ディーゼル車は長距離走行には有利だが、街乗りメインの人はDPFの詰まりリスクに注意が必要である
- 年間の維持費は燃料代の差でディーゼル車がやや安くなる傾向がある
- 実燃費はディーゼル車が優れており、特に高速道路でその性能を発揮する
- より広い室内空間と新しい走りを求めるならCX-30、価格と取り回しを重視するならCX-3が適している
- 中古車購入時は、価格だけでなく定期点検記録簿の有無など車両の状態をしっかり見極めることが重要である
- 安心感を求めるならディーラー認定中古車、価格を重視するなら信頼できる中古車専門店という選択肢がある