中古車市場でボルボS60の価格を見て、その安さに驚いたことはありませんか。
洗練されたデザインと高い安全性能を誇る高級車でありながら、手頃な価格帯で販売されていることに魅力を感じる方も多いでしょう。
しかし、同時に「なぜこんなに安いのだろう?」「故障が多いのでは?」「維持費が高くつくのでは?」といった不安が頭をよぎるかもしれません。
この記事では、ボルボS60の中古車が安い理由を徹底的に掘り下げるとともに、購入後に後悔しないための賢い選び方や、知っておくべきリスク、そして価格以上の魅力まで、網羅的に解説します。
【結論】ボルボS60の中古車が驚くほど安い5つの理由

ボルボS60の中古車が安い理由は一つではなく、複数の要因が絡み合っています。
ここでは、その主な5つの理由を解説します。
理由1:そもそもセダンというボディタイプが不人気だから
現在の自動車市場では、SUVやミニバンが主流となっており、伝統的なセダンタイプの人気は世界的に落ち着いています。
ボルボS60も例外ではなく、ワゴンのV60やSUVのXCシリーズに比べて需要が穏やかなため、中古車市場での価格が比較的安くなる傾向にあります。
理由2:新車価格が高く、中古になった時の値下がり幅が大きいから
ボルボS60の新車価格は、グレードにもよりますが500万円を超える高級車です。
一般的に、新車価格が高い輸入車は、国産車に比べて中古になった際の値下がり率(リセールバリューの低さ)が大きくなる傾向があります。
この大きな価格差が、中古車になった際の「安さ」を際立たせる一因となっています。
理由3:法人リースやレンタカー上がりの車両が市場に多いから
ボルボは法人向けのリース車両としても人気があり、一定期間が経過するとまとまった台数が中古車市場に流通します。
また、一部ではレンタカーとして使用されていた車両も存在します。
これらの車両は市場への供給量を増やし、結果として中古車相場を押し下げる要因の一つとなっています。
理由4:「外車は維持費が高い」というイメージで敬遠されがちだから
「輸入車は部品代や修理費が高い」という一般的なイメージが、購入をためらわせる一因となっています。
特に年式が古くなった中古車に対しては、将来的なメンテナンスコストへの不安から買い手が限定され、需要と供給のバランスから価格が安めに設定されることがあります。
理由5:特定の年式にトランスミッションの故障リスクが懸念されるから
ボルボS60の一部の年式では、搭載されているトランスミッションに故障リスクがあることが知られています。
この特定のモデルに対する懸念が、中古車市場全体での評価に影響を与え、価格が下がる要因となっている側面があります。
この点については、後の見出しで詳しく解説します。
「買ってはいけない」は本当?知っておくべき故障リスクとリアルな維持費

安い価格には魅力がありますが、購入後のトラブルは避けたいものです。
ここでは、ボルボS60の購入を検討する上で知っておくべき故障リスクと、具体的な維持費について解説します。
【要注意】2015年以前のモデルに多いDCT(ミッション)の故障とは?
2011年から2015年頃までの一部のモデルには、「ゲトラグ社製」の乾式デュアルクラッチトランスミッション(DCT)が搭載されています。
このDCTは、走行不能に陥るなどの重大なトラブルが発生する可能性が報告されており、修理には70万円から100万円程度の高額な費用がかかる場合があります。
このリスクが、該当する年式のS60が特に安く販売されている最大の理由ともいえます。
エアコンやナビなど、電装系のトラブルは発生しやすい?
輸入車全般にいえることですが、日本の高温多湿な環境下では、電装系にトラブルが発生しやすくなることがあります。
ボルボS60も例外ではなく、エアコンの故障やナビゲーションシステムの不具合などが報告されるケースがあります。
経年劣化によるリスクとして、購入時には動作確認をしっかり行うことが重要です。
実際の修理費用は?国産車と比べてどれくらい高いのか
万が一故障した場合、部品代や工賃は国産車よりも高額になるのが一般的です。
部品を本国から取り寄せる必要がある場合、修理に時間がかかることもあります。
突発的な出費に備え、ある程度の予備費を用意しておくか、購入時に手厚い保証に加入しておくと安心です。
年間の維持費はいくら?車検代・税金・保険料をシミュレーション
ボルボS60の維持費は、国産の同クラスセダンと比較するとやや高めです。
自動車税は排気量に応じて決まりますが、重量税や車検時の整備費用が異なります。
以下は、車検時(2年間)の費用の一般的な目安です。
項目 | 費用目安 |
法定費用(自賠責・重量税・印紙代) | 約60,000円~ |
24ヶ月点検・整備費用 | 約40,000円~100,000円 |
消耗品交換費用(オイル、ブレーキ等) | 約30,000円~ |
合計 | 約130,000円~ |
※上記はあくまで目安であり、車両の状態や整備工場によって費用は大きく変動します。
安いだけじゃない!価格以上の価値を持つボルボS60の魅力と評判
リスクや維持費について解説しましたが、ボルボS60はそれを補って余りある素晴らしい魅力を持った車です。
ここでは、多くのオーナーを魅了するS60の本当の価値を紹介します。
世界トップクラスと評される安全性と頑丈なボディ構造
ボルボといえば、まず思い浮かぶのが「安全性」です。
世界で初めて3点式シートベルトを開発した歴史を持ち、堅牢なボディ構造と先進の安全運転支援システムは、万が一の際に乗員を守るという強い思想に基づいて設計されています。
この絶対的な安心感は、他のブランドでは得がたい大きな魅力です。
見れば納得!飽きのこない美しいスカンジナビアンデザイン
ボルボS60のデザインは、シンプルでありながら洗練された「スカンジナビアンデザイン」が特徴です。
華美な装飾を排し、機能性と美しさを両立させたエクステリアとインテリアは、長く乗り続けても飽きがこず、所有する満足感を満たしてくれます。
「まるでソファ」長距離でも疲れないシートと上質な乗り心地
ボルボのシートは、整形外科医の監修のもとに設計されていることでも有名です。
人間工学に基づいて作られたシートは、身体をしっかりと支え、長時間のドライブでも疲れにくいと高く評価されています。
しっかりとした足回りと静粛性の高い室内空間がもたらす上質な乗り心地も、大きな魅力の一つです。
実際のオーナーはどう感じてる?リアルな口コミ・評判まとめ
オーナーからは、「ボディの剛性感が高く、安心して運転できる」「デザインがとにかくお洒落で気に入っている」「高速道路での安定性が抜群で、長距離移動が楽になった」といった肯定的な評価が多く見られます。
一方で、「燃費はあまり良くない」「やはり修理代は高かった」といった声もあり、メリットとデメリットを理解した上で所有しているユーザーが多いことがうかがえます。
【購入ガイド】安いボルボS60で後悔しないための賢い選び方

魅力的なボルボS60を、納得のいくかたちで手に入れるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
ここでは、後悔しないための中古車選びのコツを解説します。
最初に確認すべきは「整備記録簿」の有無と内容
中古車選びで最も重要なのが、これまでのメンテナンス履歴がわかる「整備記録簿」です。
いつ、どこで、どのような整備や部品交換が行われてきたかを確認することで、その車が大切に扱われてきたかを判断できます。
特にオイル交換などの定期的なメンテナンスがしっかり行われているかは、重要なチェックポイントです。
狙い目は何年式?故障リスクの低いモデルの見分け方
前述のDCTの故障リスクを避けるなら、トランスミッションが信頼性の高い「アイシン製」の8速オートマチックに変更された2015年後半以降のモデルが狙い目となります。
予算的に厳しい場合でも、整備記録がしっかりしており、トランスミッションオイルの交換履歴がある車両を選ぶなど、リスクを低減させる選び方が求められます。
高くても安心?ディーラーの「認定中古車」を選ぶメリットとデメリット
ボルボの正規ディーラーが販売する「認定中古車」は、価格が一般的な中古車店より高めですが、その分メリットも大きいです。
厳しい基準をクリアした高品質な車両であることに加え、充実した保証やロードサービスが付帯するため、購入後の安心感が格段に違います。
初めての輸入車で不安が大きい方には、有力な選択肢となるでしょう。
試乗で絶対チェックしたい3つのポイント
購入前には必ず試乗を行い、車両の状態を自身の五感で確かめましょう。
特に以下の3点は重点的にチェックすることをおすすめします。
- 発進時や変速時のショック: スムーズに変速するか、不快な振動やショックがないかを確認します。
- **異音の有無:**走行中にエンジンや足回りから「カタカタ」「ゴー」といった異音がしないか耳を澄ませます。
- 電装品の動作: エアコン、ナビ、パワーウィンドウなど、全ての電装品が正常に作動するかを一つずつ確認します。
ボルボS60の中古車価格とリセールバリューの実態
購入を具体的に検討する上で、実際の価格相場と、将来手放す際の価値(リセールバリュー)は気になるポイントです。
【価格帯別】いくらの予算でどんなS60が買える?
2025年9月現在、ボルボS60の中古車は、年式や走行距離によっては50万円以下の予算から探すことも可能です。
- ~100万円: 2011年~2014年式の、走行距離が多めの車両が中心。DCT搭載モデルが多いため、状態の吟味が必須です。
- 100~250万円: 2015年以降の8速ATモデルも視野に入り、走行距離も比較的少ない良質な車両を選べる価格帯です。
- 250万円~: 現行モデルに近い高年式の認定中古車などがターゲットとなります。
リセールは期待薄?S60の驚きの買取相場を公開
残念ながら、ボルボS60のリセールバリューは高いとはいえません。
購入時の安さの裏返しであり、数年後の売却時には、想定よりも低い買取価格になることを覚悟しておく必要があります。
車を資産として考えるのではなく、その価値を乗り潰すくらいの気持ちで付き合うのが良いでしょう。
ワゴンの「V60」と比べてリセールに差はある?
一般的に、日本市場ではセダンのS60よりもステーションワゴンのV60の方が人気が高く、リセールバリューもV60の方がやや高い傾向にあります。
実用性とリセールを少しでも重視するなら、V60を検討するのも一つの手です。
ボルボS60「なぜ安い?」に関するよくある質問

最後に、ボルボS60の安さに関してよく寄せられる質問にお答えします。
同じスウェーデン車でもサーブとは違うの?
はい、ボルボとサーブは異なる自動車メーカーです。
どちらもスウェーデンを代表するブランドでしたが、サーブは2011年に経営破綻し、現在は自動車生産を行っていません。
ボルボは現在も高品質な車を生産し続けており、部品供給や整備体制の面でも安心して乗ることができます。
同年代の国産セダン(レガシィなど)より安いのはなぜですか?
主な理由として、輸入車特有の維持費への懸念や、ブランドイメージによる需要の差が挙げられます。
国産車は信頼性や維持費の安さから中古車市場でも安定した人気があり、価格が下がりにくい傾向にあります。
一方でボルボS60は、車の本質的な性能とは別の要因で価格が低くなっているといえます。
結局、ボルボS60はどんな人におすすめできますか?
ボルボS60は、「車の価値をリセールバリューで判断せず、優れた安全性やデザイン、乗り心地を、コストパフォーマンス高く楽しみたい」という方に非常におすすめできる車です。
安い理由とリスクを正しく理解し、適切な個体選びさえできれば、非常に満足度の高いカーライフを送ることができるでしょう。
まとめ:ボルボ s60 なぜ安いのかを徹底解説
- ボルボS60の中古車が安い主な理由はセダンの不人気や値下がり率の大きさである
- 法人リースやレンタカー上がりの車両が多いことも価格を下げる一因となる
- 「維持費が高い」というイメージや特定の故障リスクへの懸念も価格に影響する
- 2015年以前のモデルに搭載されたDCTは故障リスクに注意が必要である
- 修理費や部品代は国産車より高額になる傾向がある
- 世界トップクラスの安全性と堅牢なボディはボルボ最大の魅力である
- 洗練されたスカンジナビアンデザインと疲れにくいシートも高く評価されている
- 購入時は整備記録簿を確認し、信頼性の高い2015年後半以降のモデルが狙い目である
- リセールバリューは期待できないため、長く乗り続ける前提での購入が望ましい
- 安い理由とリスクを理解すれば、非常にコストパフォーマンスが高い一台である