ヤマハXJR1200の中古車価格を見て、「なぜこんなに安いの?」と疑問に思ったことはありませんか。
1200ccという大排気量の空冷4気筒エンジンを搭載した魅力的なビッグネイキッドでありながら、後継機のXJR1300や他のライバル車と比較して手頃な価格で取引されているのには、いくつかの明確な理由が存在します。
しかし、ただ安いという理由だけで購入を決めてしまうと、後から思わぬトラブルや高額な修理費用に悩まされる可能性も少なくありません。
この記事では、XJR1200が安い理由を5つのポイントから徹底的に解明します。
最大の弱点とされる「スタータークラッチ」の問題から、後継機XJR1300との具体的な違い、そして購入後に後悔しないためのチェックポイントまで、専門的な視点から網羅的に解説していきます。
この記事を最後まで読めば、XJR1200の持つ本当の価値とリスクを正しく理解し、あなたが納得できる一台を見つけるための確かな知識が身につくでしょう。
結論:ヤマハ XJR1200が安いと言われる5つの明確な理由

ヤマハXJR1200が中古市場で安価に取引されている背景には、単一ではなく複数の要因が絡み合っています。
ここでは、その主な理由を5つのポイントに絞って解説します。
これらの理由を理解することが、XJR1200というバイクを正しく評価する第一歩となります。
理由①:性能・信頼性が向上した後継機「XJR1300」の存在
XJR1200が安い最大の理由は、1998年に登場した後継モデル「XJR1300」の存在です。
XJR1300は、単なる排気量アップ版ではなく、XJR1200で指摘されていた弱点を克服し、各部を全面的に改良したモデルでした。
特に、後述するスタータークラッチの構造が見直され信頼性が大幅に向上したことで、多くの中古車ユーザーがより安心感のあるXJR1300を選ぶ傾向にあります。
この結果、相対的に旧モデルであるXJR1200の需要が落ち着き、価格が手頃になっているのです。
理由②:最大の弱点「スタータークラッチ」という持病が広く知られているため
XJR1200には、「スタータークラッチ(ワンウェイクラッチ)」に構造的な弱点を抱えているという、モデル特有の「持病」が存在します。
この部品が故障するとエンジンの始動が困難になり、修理にはエンジンを降ろして分解するという大掛かりな作業が必要となります。
結果として修理費用が高額になるリスクが広く知られているため、購入をためらうユーザーも少なくありません。
この潜在的な修理リスクが、中古車価格を押し下げる大きな要因となっています。
理由③:生産終了から25年以上が経過した「古い年式」であること
XJR1200は1994年から1998年まで生産されたモデルであり、最終年式であっても生産終了から25年以上が経過しています。
バイクは一般的に年式が古くなるほど経年劣化が進み、市場価値は下がる傾向にあります。
部品の劣化や消耗は避けられず、現代のバイクと比較すると性能面で見劣りする部分があることも、価格が安くなる一因です。
理由④:空冷エンジン特有の熱問題と現代のバイクと比較した際の燃費
XJR1200が搭載する空冷エンジンは、冷却フィンが並ぶ造形美が魅力ですが、機能面ではデメリットも存在します。
特に夏場の渋滞路などではエンジンからの熱がすごく、ライダーはかなりの熱さに耐えなければなりません。
また、大排気量のキャブレター車であるため燃費も決して良いとは言えず、実燃費でリッター11〜15km前後という声が多く聞かれます。
水冷エンジンやインジェクションが主流の現代において、これらの点は価格評価に影響を与えています。
理由⑤:中古市場での流通量が比較的多く、希少性が高くないため
XJR1200は当時、人気モデルであったため、中古市場には今でも比較的多くの車両が流通しています。
一部のプレミア化した旧車とは異なり、流通量が多ければ希少価値は上がりにくく、価格は安定する傾向にあります。
いつでも探せば見つかるという状況が、価格の高騰を抑え、手頃な価格帯を維持している理由の一つと言えるでしょう。
XJR1200最大の弱点「スタータークラッチ」は本当に壊れやすい?
XJR1200を語る上で避けて通れないのが、最大の弱点とされる「スタータークラッチ」の問題です。
この持病は多くの個体で発生する可能性があり、購入を検討する上で最も注意すべきポイントです。
ここでは、その具体的な症状から修理費用、対策までを詳しく解説します。
故障するとどんな症状が出る?「ガガガ」という異音やセルが空回りする正体
スタータークラッチが劣化・故障すると、エンジンを始動させる際に特徴的な症状が現れます。
セルボタンを押した時に、「キュルキュル」という正常な音ではなく、「ガガガッ!」や「ギャッ!」といった、ギアが噛み合っていないような大きな異音が発生します。
さらに症状が進行すると、異音すら鳴らずに「クーン、クーン」とセルモーターだけが虚しく空回りし、エンジンが全く始動できなくなります。
この症状は、エンジンオイルが硬くなる冬場の寒い日や、長期間エンジンをかけていない時に特に発生しやすくなります。
修理費用はいくら?エンジン分解が必要で工賃は10万円を超えることも
このトラブルが致命的と言われる最大の理由は、修理の困難さと費用の高さにあります。
XJR1200の構造上、スタータークラッチを交換するにはエンジンを車体から降ろし、さらにクランクケースを上下に分割(通称:腰下割り)しなければなりません。
これはエンジンをほぼ完全に分解する作業であり、専門的な知識と多くの時間が必要です。
バイクショップに依頼した場合、工賃だけで10万円を超え、部品代を含めると総額でかなりの出費となるケースが珍しくありません。
車両本体価格が安いだけに、この修理費用は大きな負担となります。
効果的な対策は?XJR1300用の強化部品への交換が定番
最も根本的で効果的な対策は、スタータークラッチを交換することです。
その際、単純に同じ部品に交換するのではなく、弱点が改良されたXJR1300用の強化されたスタータークラッチ部品を流用するのが定番の修理方法となっています。
これにより、再発のリスクを大幅に減らすことができ、安心して乗り続けることが可能になります。
中古車の中には、すでにこの対策が施されている車両もあるため、メンテナンス履歴を確認することは非常に重要です。
購入前に見抜く方法は?エンジンが完全に冷えた状態での始動確認が必須
購入後に高額な修理で後悔しないためには、購入前のチェックが何よりも重要です。
最も確実な方法は、バイクショップに依頼して、エンジンが完全に冷え切った状態(コールドスタート)で始動させてもらうことです。
エンジンが暖まっていると症状が出にくい場合があるため、必ず冷間時の始動を確認しましょう。
セルを回した際に、前述したような異音や空回りの兆候が少しでも見られた場合は、その車両の購入は見送るのが賢明です。
XJR1200と1300の7つの違いを徹底比較!結局どっちを選ぶべき?

XJR1200の購入を検討する際、誰もが比較対象とするのが後継機のXJR1300です。
見た目は非常に似ていますが、中身は大きく進化しています。
ここでは両モデルの主要な違いを7つのポイントで比較し、どちらがあなたにとって最適な選択なのかを明らかにします。
項目 | XJR1200 (〜1998年) | XJR1300 (1998年〜) | 主なメリット・変更点 |
---|---|---|---|
①エンジン | 1,188cc / 鉄スリーブ | 1,250cc / メッキシリンダー | パワー向上と放熱性・耐久性アップ |
②信頼性 | スタータークラッチに弱点あり | 構造が見直され対策済み | 安心感と整備性が劇的に向上 |
③ハンドリング | Fタイヤ: 130/70ZR17 | Fタイヤ: 120/70ZR17 | より軽快になりタイヤの選択肢も増加 |
④デザイン | – | 冷却フィン強調デザイン(初期) | モデルにより細部の意匠が異なる |
⑤中古価格 | 安価(20万円台〜) | 高価(50万円台〜) | 1200は圧倒的なコストパフォーマンス |
⑥部品供給 | 一部で欠品の可能性 | 比較的安定 | 維持のしやすさで1300が有利 |
⑦燃料供給 | キャブレターのみ | FIモデルあり(2007年〜) | FIは始動性や燃費で有利 |
比較①【エンジン】:排気量アップと内部パーツ刷新による性能向上
最も大きな違いはエンジンです。
XJR1300は排気量が1,188ccから1,250ccへと拡大され、最高出力とトルクが向上しています。
さらに、シリンダーが鉄スリーブから放熱性に優れるメッキシリンダーに、ピストンも軽量な鍛造ピストンに変更されるなど、内部から刷新されました。
これにより、よりスムーズで洗練されたエンジンフィールと高い耐久性を実現しています。
比較②【信頼性・整備性】:スタータークラッチの構造が決定的に違う
前述の通り、信頼性において決定的な違いとなるのがスタータークラッチです。
XJR1300ではこの弱点が完全に克服されており、万が一トラブルが発生してもエンジンを降ろすことなく修理が可能です。
この一点だけでも、長期的な安心感を重視するならばXJR1300を選ぶ大きな理由になります。
比較③【ハンドリング】:フロントタイヤサイズの変更による軽快さ
足回りでは、フロントタイヤのサイズがXJR1200の130幅から、XJR1300ではより一般的でスポーティな120幅に変更された点が重要です。
これにより、ハンドリングがより軽快になっただけでなく、最新のハイグリップタイヤなど、選べるタイヤの種類が大幅に増えました。
ワインディングなどを楽しみたいライダーにとっては見逃せないポイントです。
比較④【デザイン】:冷却フィンやメーターなど細部の違い
基本的なスタイルは共通ですが、細部のデザインに違いがあります。
初期のXJR1300はエンジンの冷却フィンを強調するためにシルバー塗装が採用されました(後にブラックに戻る)。
また、後期モデルではデジタルメーターが採用されるなど、年式によって装備が近代化されています。
比較⑤【中古価格】:10万円〜30万円以上の価格差が目安
価格面では、やはりXJR1200の方が圧倒的に安価です。
2024年現在、XJR1200は状態によって20万円台から60万円台で取引されているのに対し、XJR1300は安くても50万円前後からと、数十万円以上の価格差があります。
初期投資を抑えたい方にとっては、XJR1200のコストパフォーマンスは非常に魅力的です。
比較⑥【部品供給】:純正部品の入手しやすさはXJR1300が有利
バイクを維持していく上で部品の供給状況は重要です。
XJR1300は生産期間が2017年までと長かったため、純正部品の供給は比較的安定しています。
一方、XJR1200は生産終了から時間が経っており、一部の専用部品は入手が困難になる可能性があります。
ただし、両モデルで共通の部品も多いため、致命的な問題にはなりにくいでしょう。
【結論】予算重視でカスタムを楽しむなら1200、安心と性能なら1300
結論として、どちらを選ぶべきかはあなたの価値観次第です。
「初期費用を抑え、浮いた予算でカスタムを楽しみたい」「多少のリスクは理解した上で、荒々しい乗り味を楽しみたい」という方にはXJR1200がおすすめです。
一方で、「トラブルの心配をせず、より完成度の高い性能を長く楽しみたい」という方には、価格は高くともXJR1300の方が間違いのない選択と言えるでしょう。
中古XJR1200の購入で後悔しないためのチェックポイント

XJR1200は魅力的なバイクですが、古いモデルであるため中古車選びは慎重に行う必要があります。
価格の安さだけで飛びつくと、「安物買いの銭失い」になりかねません。
ここでは、購入後に後悔しないために必ず確認すべきチェックポイントを解説します。
最重要項目は「エンジン冷間時」の始動性と異音の有無
繰り返しになりますが、最も重要なチェックポイントはスタータークラッチの状態です。
必ず、エンジンが完全に冷え切った状態で始動させてもらいましょう。
始動時に「ガガガ」といった異音や空回りの症状が出ないか、自分の耳でしっかりと確認することが不可欠です。
もし販売店が暖機後の始動確認しか許可しない場合は、何かを隠している可能性を疑うべきです。
オイル漏れ・滲みの定番箇所はどこ?(ヘッドカバー・クラッチレリーズ)
空冷大排気量エンジンでは、オイル漏れや滲みも定番のチェックポイントです。
特にエンジンの上部にあるヘッドカバーのガスケットや、クラッチを操作するクラッチレリーズシリンダー周辺は要確認です。
地面に滴るほどの漏れがある場合は修理が必要になりますし、滲んでいる場合も将来的なメンテナンス費用として考慮しておきましょう。
転倒歴の見分け方は?(ハンドルストッパー、エンジンカバー、フレーム)
大きな転倒歴がないかも確認すべきポイントです。
ハンドルを左右に切った際に当たるフレーム側の「ハンドルストッパー」に凹みや傷がないかを確認します。
また、ステップの先端、レバーの先端、マフラー、エンジンカバーなどに大きな削れや傷がないかもチェックしましょう。
これらに大きなダメージがある場合、フレームにまで影響が及んでいる可能性も考えられます。
豪華装備の落とし穴、オーリンズ製リアサスの状態確認
XJR1200の魅力であるオーリンズ製リアサスペンションですが、これも消耗品です。
サスペンションのロッド部分に錆や傷がないか、オイル漏れが発生していないかを入念に確認してください。
オーバーホールには数万円の費用がかかるため、サスペンションの状態は乗り心地だけでなく、購入後の出費にも直結します。
「安いから」は危険?修理費用まで含めた総額で考えることが重要
中古XJR1200選びで最も大切なのは、車両価格だけでなく、購入後に発生する可能性のある修理やメンテナンス費用まで含めた「総額」で判断することです。
多少価格が高くても、スタータークラッチが対策品に交換済みであったり、消耗品が新しくなっていたりする車両の方が、結果的に安くつく場合も多々あります。
信頼できる販売店で、車両の状態について正直な説明を受け、納得した上で購入を決断しましょう。
安いだけじゃない!XJR1200が今も愛される本当の魅力
これまでXJR1200の弱点や注意点を中心に解説してきましたが、このバイクが今なお多くのライダーに愛されているのは、それを補って余りある独自の魅力があるからです。
ここでは、価格の安さだけではない、XJR1200ならではの魅力に迫ります。
魅力①:圧倒的なコストパフォーマンスでリッターバイクを体験できる
何と言っても最大の魅力は、1200ccクラスの空冷4気筒エンジンを搭載したビッグバイクを、非常に安価に手に入れられる点です。
現代の400ccクラスの新車よりも安い価格で、リッターバイクならではの図太いトルクと余裕のある走りを体験できます。
初めて大型バイクに乗る方の入門用として、あるいは気兼ねなく走り込めるセカンドバイクとしても最適な選択肢と言えるでしょう。
魅力②:XJR1300より荒々しいと言われる空冷エンジンの鼓動感
性能面では後継機のXJR1300に軍配が上がりますが、乗り味の面では1200を好むライダーも少なくありません。
より洗練されたフィーリングの1300に対し、1200はより無骨で荒々しい、機械的な鼓動感を味わえると言われています。
効率やスムーズさだけではない、バイクが持つ本来の「味」や「楽しさ」を求めるライダーにとって、このフィーリングは唯一無二の魅力となります。
魅力③:オーリンズやブレンボを標準装備した豪華な足回り
XJR1200は、発売当時のフラッグシップモデルとして、非常に豪華なパーツが標準装備されていました。
リアサスペンションにはオーリンズ製を、1995年モデル以降のフロントブレーキにはブレンボ製キャリパーを採用するなど、走りに対するヤマハのこだわりが詰まっています。
これらの高品質なパーツが、現在の安価な中古車価格でも手に入るというのは、非常にお得感が高いポイントです。
魅力④:シンプルな構造でメンテナンスやカスタムを楽しみたい人に最適
XJR1200は、電子制御がほとんどないキャブレター車であり、カウルのないネイキッドスタイルです。
このシンプルな車体構成は、メンテナンス性に優れており、自分でバイクを整備したい、カスタムを楽しみたいという方には格好の素材となります。
XJR1300と共通で使えるパーツも多く、中古パーツも豊富に流通しているため、自分好みの一台に仕上げていく楽しみが尽きません。
XJR1200の維持費と今後の価値についての疑問に回答

XJR1200の購入を具体的に考え始めると、維持費はどのくらいかかるのか、そして今後の資産価値はどうなるのかといった点が気になってくるでしょう。
ここでは、そうした疑問についてお答えします。
年間の維持費はいくらくらいかかる?(税金・保険・消耗品代)
XJR1200の年間の維持費は、乗り方や保管状況によって変動しますが、主な内訳は以下の通りです。
- 軽自動車税: 6,000円
- 自賠責保険(24ヶ月): 1年あたり約4,500円
- 任意保険: 年齢や等級により大きく変動(数万円〜)
- メンテナンス・消耗品代: オイル交換、タイヤ、ブレーキパッドなど(年間2万円〜)
これに加えて、2年に一度の車検費用(4万円〜)が必要になります。
特に古いバイクであるため、予期せぬトラブルに備え、修理費用として別途10万円〜20万円ほど余裕を見ておくと安心です。
今後の価格は値上がりする可能性はある?
1990年代の日本製バイクは「ネオクラシック」として世界的に人気が高まっており、多くのモデルで価格が上昇しています。
その流れの中で、空冷ビッグネイキッドであるXJR1200の価値が今後上昇していく可能性はゼロではありません。
しかし、その上昇幅は限定的と予測されます。
最大の理由は、やはり性能・信頼性で優るXJR1300が存在することです。
コレクターズアイテムとしての価値は、どうしても1300の方に軍配が上がりがちです。
したがって、「値上がり益を期待して購入する」というよりは、「安く手に入れて存分に楽しむ」ためのバイクと捉えるのが賢明でしょう。
現在の買取相場はどのくらい?状態別の目安を紹介
XJR1200の買取相場は、車両の状態によって大きく変動しますが、一般的な目安は20万円〜35万円前後です。
走行距離が極端に少なく、外装も美しい極上車の場合は、例外的に50万円以上の査定額が付くこともあります。
逆に、スタータークラッチに不具合がある、不動車、事故車などの場合は10万円台、あるいはそれ以下の価格になることも考えられます。
日頃のメンテナンスがいかに資産価値を保つ上で重要かがわかります。
XJR1200に関するよくある質問(Q&A)
最後に、XJR1200に関して多くの人が抱くであろう疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。
スタータークラッチ以外に壊れやすい箇所や持病はある?
スタータークラッチが最大の懸念点ですが、他にも年式相応の注意点があります。
XJRシリーズ共通の持病として「クラッチレリーズからのフルード漏れ」が知られていますが、これは比較的安価で簡単に修理可能です。
また、空冷エンジン特有の「ヘッドカバーからのオイル滲み」もよく見られますが、これもガスケット交換で対応できます。
これらは致命的なトラブルではなく、定期的なメンテナンスで十分対処できる範囲です。
ライバル車(ゼファー1100, CB1000SF)と比べてどう違う?
当時のライバル車と比較すると、XJR1200の立ち位置がより明確になります。
- カワサキ ゼファー1100: 「Z」の系譜を継ぐスタイリングと味わい深い乗り味が魅力。XJRより穏やかな特性で、根強い人気を誇ります。
- ホンダ CB1000SF: パワフルでスムーズな水冷エンジンを搭載。ホンダらしい優等生な乗り味と高い信頼性が特徴です。
XJR1200は、ゼファーよりスポーティで、CBより空冷らしい鼓動感が楽しめる、バランスの取れたモデルと言えるでしょう。
「族車」のイメージがあるけど実際のオーナー層は?
XJRシリーズ、特に400ccモデルは、一部で派手なカスタムのベース車両として使われた歴史から、そうしたイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、1200ccという大型クラスになると、そのイメージはほとんど当てはまりません。
実際のオーナーは、90年代のバイクブームを経験したベテランライダーや、そのクラシカルなスタイルを好む落ち着いた層が中心です。
オーソドックスなスタイルはカスタムの自由度も高く、オーナーの好みによって多様なスタイルで楽しまれています。
まとめ:XJR1200が安い理由と購入前の全知識
- XJR1200が安い最大の理由は、性能が向上した後継機XJR1300の存在である
- 「スタータークラッチ」の構造的弱点という持病が広く知られていることも価格を下げる要因
- スタータークラッチの修理はエンジン分解を伴い、工賃だけで10万円を超える可能性がある
- 対策として、弱点が改良されたXJR1300用の強化部品への交換が有効である
- 中古車選びでは、エンジンが冷えた状態での始動確認が最も重要
- XJR1300はエンジン性能や信頼性、ハンドリングなど多くの面で1200を上回る
- 予算を抑えて楽しむなら1200、安心と性能を求めるなら1300が推奨される
- 安いだけでなく、荒々しいエンジンフィールや豪華な標準装備といった独自の魅力を持つ
- 今後の大幅な価格高騰は期待しにくく、投資目的より楽しむためのバイクである
- 弱点を正しく理解し、メンテナンスを前提に付き合えば最高のパートナーになり得る